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蒼井上鷹さんの「最初に探偵が死んだ」を読んでみた 感想

今回紹介するのは蒼井上鷹さんの「最初に探偵が死んだ」です。

最初に探偵が死んだ

名探偵・笛木日出男(ふえきいでお)の元に、命を狙われていると助けを求めて訪ねてきた依頼人の内野宗也。作家・星野万丈の養子である宗也は遺産を全て相続していた。受け継いで時点での金額は大したこともなかったが、万丈の没後に制作された映画、記念復刊がヒットするとふたたび脚光を浴びることになり、著作権をも受け継いでいた宗也には大金が転がり込んでくるようになった。特にその映画に影響され、模倣したとされる事件が数多く起こり、不特定多数の人間に恨まれたり妬まれていると推察するのは容易であった。ところがどうもそれとは別に何かを隠している様子があった。隠されたままでは探偵業にも支障があると笛木が依頼を断るポーズを取ることで、ようやく本心を話し始めた。

 

結婚が遅く、妻・すせりとの間に子供はいなかった。その代わり、四人の養子(長男・冬樹、長女・照美、次男・健二、三男・満)を育て上げてきた。現在の遺言状では、遺産は彼らに相続されることになっていた。ところが映画化や復刊によって莫大なお金が入ったことで新たな贈与先を設定することにした。さらに新たな養子を迎える計画があり、新しい遺言状を内野所有の別荘で発表するつもりでいた。その席で何らかのトラブルが起きるのではと心配した宗也は立ちあって欲しいと笛木に頼みこんだ。名探偵と評判高い笛木の存在が制止力になるのではと期待していたのだ。

 

さっそく動き出した笛木だったが、何者かに頭を殴られ、いきなり死んでしまう。名探偵が即退場という犯人にとっては好都合の展開で内野家の人間は次々と襲われていく。ありえない設定と迷推理。最後に訪れる予測不能の結末とは、いかに。

 

感想/まとめ

面白かった。

まさか名探偵が幽霊になっても推理を続けるとは思わなかった。後の被害者も彼の下に駆け付けて幽霊同士で推理合戦とは発想がたまらない。たとえ解決の糸口を発見できたとしても、生きている人間には干渉できないからどうやって解決するのか、見ものである。

 

遺産相続のお約束として人がバタバタと死んでいくけど、どこかライトな気持ちで読める。コミカルな作品が読みたい時にでも手に取って見てはいかがでしょうか。