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芦辺拓さんの「探偵宣言 森江春策の事件簿」を読んでみた 感想

今回紹介するのは芦辺拓さんの「探偵宣言 森江春策の事件簿」です。素人探偵・森江春策の高校生時代から現在に至るまでに遭遇した事件の数々をまとめた短編集。

探偵宣言 森江春策の事件簿

▼殺人喜劇の時計塔 ~森江春策、高校時代の事件~

交通・通信網のストライキにより森江が通う高校は休校中であった。しかし、演劇クラブの講演準備のために登校していた森江ら生徒が作業中の校内で他校の生徒の撲殺死体が発見された。現場の状況や目撃証言から一人の男子生徒が浮上するが、彼も校内で毒を飲んで倒れているのが発見された。

時計塔から石塊を落として殺害後、自殺したともとれる状況にあるが、、、探偵としての才能の片鱗を見せた森江春策の推理とは?

 

▼殺人喜劇の不思議町 ~森江春策、大学時代の事件~

大学生の森江は、列車での旅の途中に飲み物を購入するために降りた駅で乗り遅れるという失敗をおかし、田舎の温泉町に立ち寄ることになった。駅員に教えてもらった喫茶店で温かい珈琲を飲んで一息ついていると、この町の旅館の主人が他殺死体で発見されたとの知らせが入る。

ちなみにこの事件解決後に「殺人喜劇の13人」へと繋がる設定となっている。

 

▼殺人喜劇の鳥人伝説 ~森江春策、記者時代の事件Ⅰ~

新聞記者の森江は、弁護士・九鬼麟一とともに《山上ロッジ》へ向かう途中で、ロッジの送迎バスが事故を起こした現場に遭遇する。運転手は死亡、同乗者の女性・赤沢真紀は奇跡的に軽症で済んだが、事故直前に「サ、サカマチ! き、貴方ーっ」と運転手が叫んでいたと証言した。さらにロッジでは九鬼の依頼人が死んでおり、空を飛んでいたとの仰天するような目撃証言も飛び出す。

 

▼殺人喜劇の迷い家伝説 ~森江春策、記者時代の事件Ⅱ~

新聞記者の森江は、偶然にも赤沢真紀と再会する。彼女から演劇の構成の報告を受けていると山中に建てられた西洋館が消失するという摩訶不思議な事件が起きる。二人でその館が建っていたらしき山中に向かうと、その場所で男の死体を発見するのであった。

遠野物語に描かれている「マヨイガ」を連想させる短編集。

 

▼殺人喜劇のXY ~森江春策、転身前後の事件~

新聞記者から弁護士へと転身する森江は、鳥人伝説で知り合った弁護士・九鬼法律事務所に詰めていた。そんなある日、同ビル内で「ブッ殺したるー」との物騒な叫び声と銃声が響き渡り事件が発生する。

被害者が残したとみられるダイイング・メッセージ「XY」の意味とは?

 

▼殺人喜劇のニトロベンゼン

アントニー・バークリーの「毒入りチョコレート事件」のパロディー。

芦辺作品に登場する名探偵が喫茶店《謎譚亭》に集結して、推理合戦を繰り広げる。

 

▼殺人喜劇の森江春策 ~森江春策、最近の事件~

サングラスに口髭を生やした吉池と名乗る依頼人が森江法律事務所を訪ねてきた。しばらくして吉池はトイレに立つが、その途中で何者かに背中をナイフで刺されて死んでいた。駆け付けた森江が、よくよく確認すると吉池と名乗っていた男の正体は高校時代の同級生であった。

また同時刻、付近のホテルで医者の刺殺死体が発見された。奇妙なことに医者を刺したナイフから同級生の指紋が検出され、同級生を刺したナイフから医者の指紋が検出されたのだ。

 

感想/まとめ

シリーズ通して初読みでしたが、面白かった。

もっと探偵森江を知りたくて「殺人喜劇の13人」を早く読みたい!