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アガサ・クリスティーさんの「そして誰もいなくなった」を読んでみた ネタバレあり/感想

今回紹介するのはアガサ・クリスティーさんの「そして誰もいなくなったです。U・N・オーエンという人物からインディアン島に招待された男女八名。招待主が姿を現わさないまま始まった晩餐での犯罪の告発。そして一人また一人と童話になぞられて殺されていく招待客。絶海の孤島を舞台としたクローズ・サークルの名作中の名作、是非手にとって読んでみてください!

 そして誰もいなくなった

U・N・オーエンという人物から絶海の孤島・インディアン島に職業、年齢、経歴が異なる男女八名が招待された。天候が悪化すると交通(船)が途切れてしまい上陸することが不可能になるという不便さはあるものの、島に屹立する邸宅は近代的な建築で素晴らしいものだった。招待客はオーエン氏から雇われたロジャース夫妻のおもてなしを受けますが、肝心の依頼主・オーエン夫妻の姿はなかった。

 

晩餐を終えて各々がくつろいでいると、招待客及びロジャース夫妻の過去の犯罪を告発する謎の声が響き渡る。事件、事故とも言えない殺人の嫌疑をかけられた彼らは声の主を探しだした。その声は隣の部屋の蓄音器から流れており、ロジャースはオーエン氏の命令でレコードかける手筈になっていて、もちろん内容は一切知らなかったと語った。ラベルには「白鳥の歌」と記しており、一同はオーエン氏の存在自体に疑問を抱き始めた。そしてこの島に集められた彼らの経緯をまとめると

 

U・N・オーエン=UNKNOWN=どこのものともわからぬもの

 

となり、招待客は身近な人物の名前で呼び集められ、正体不明の謎の人物・オーエンの陰謀に巻き込まれてしまっていたことが判明するのであった。

 

▼登場人物

ローレンス・ウォーグレイヴ:元判事。ある年配の婦人が殺害された裁判で、有能な弁護士がついて、証言台での証言も陪審員に好印象を与え、被告は無罪を確信していた。しかし、有罪の証拠が見つかり、ウォーグレイヴは陪審員を誘導して死刑判決を宣告した。

ヴェラ・クレイソーン:秘書・家庭教師。家庭教師をしていた子どもに、泳ぎの許可を与えて溺死させてしまった。彼女に対して同情する声もあったが、実はヴェラは子どもの叔父と恋愛関係にあり、彼に大金が転がるよう遺産相続のために無理な許可を出していた。

フィリップ・ロンバート:元陸軍大尉。東アフリカのジャングルで道に迷い、身を守るために先住民を見捨てて食料を奪い、餓死させた。

エミリー・ブレント:信仰のあつい老婦人。妊娠した若いメイドを追いだして自殺に追い込んだ。

マカーサー将軍:退役の老将軍。妻の愛人だった部下を危険な戦地に偵察を命じて、故意に戦死させた。

アームストロング:医師。酔った状態で手術をし、患者を死なせた。

アンソニー・マーストン:遊び好きの青年。スピードの出し過ぎで子どもを引き殺した。

ブロア:元警部。銀行強盗の事件で証拠を偽装し無罪の男に罪を着せた。現探偵でオーエン氏からの依頼で正体を隠して招待客の監視をしていた。

トマス・ロジャース:オーエン家の執事。遺産を手に入れるために当時の雇い主を故意に病死させた。

エセル・ロジャース:トマスの妻、コック。同上の罪。

オーエン夫妻:インディアン島の持ち主。

 

▼童話になぞられて死んでいく

十人のインディアンの少年が食事に出かけた

一人がのどをつまらせて、九人になった(アンソニー・マーストン)

九人のインディアンの少年がおそくまで起きていた

一人が寝すごして、八人になった(エセル・ロジャース)

八人のインディアンの少年がデヴィンを旅していた

一人がそこに残って、七人になった(マカーサー将軍)

七人のインディアンの少年が薪を割っていた

一人が自分を真っ二つに割って、六人になった(トマス・ロジャース)

六人のインディアン人形が蜂の巣をいたずらしていた

蜂が一人を刺して、五人になった(エミリー・ブレント)

五人のインディアンの証言が法律に夢中になった

一人が大法院に入って、四人になった(ローレンス・ウォーグレイヴ)

四人のインディアンの少年が海に出かけた

一人が燻製のにしんにのまれ、三人になった(アームストロング)

三人のインディアンの少年が動物園を歩いていた

大熊が一人を抱きしめ、二人になった(ブロア)

二人のインディアンの少年が日向に座った

一人が陽に焼かれて、一人になった(フィリップ・ロンバート

一人のインディアンの少年が後に残された

彼が首をくくり、後には誰もいなくなった(ヴェラ・クレイソーン)

 

 

不安と困惑が一同を支配するなかで蓄音機から流れた各々の罪に対しての反応はバラバラであった。それでも一刻も早くこの島を脱出するという意見に一同はまとまり、翌朝食料を積んだ船が来るのを待つことになった。しかし、アンソニー・マーストンだけは反対の声を挙げて、法律に縛られている生活は窮屈だ、犯罪に乾杯だと言ってウイスキーを一気飲みした。すると突然苦しみ出して死んでしまった。

翌朝にはエセル・ロジャースが死んでいるのが発見された。また飾られているインディアン人形が十個中八個に減っており、自分たちの死と連結しているのだと恐怖を覚えていち早く脱出に向けて動きですが、頼みの綱の船も来ず、完全な孤立状態となってしまった。

その後も一人一人と童話になぞられて死んでいく。

マカーサー将軍は撲殺。

トマス・ロジャースは後頭部を斧で割れる。

エミリー・ブレントは蜂に刺されてように見せかけて毒殺。

ローレンス・ウォーグレイヴは判事姿で銃殺。

アームストロングは溺死。

ブロアは大理石で頭を潰される。

フィリップ・ロンバートはヴェラの反撃に遭い、死亡。

最後の一人になったヴェラ・クレイソーンが自殺して「そして誰もいなくなった」が完成された。

 

物語はエピローグに続き、真相が明らかになる。(ローレンス・ウォーグレイヴの犯行)

 

感想/まとめ

面白かった。

おススメ小説でよく名前が挙がる「そして誰もいなくなった」をようやく読むことができて幸せです。

もっと外国小説にも手を出していかないとな~