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万丈貴恵さんの「孤島の来訪者」を読んでみた 感想

今回紹介するのは万丈貴恵さんの「孤島の来訪者」です。孤島×特殊設定の本格ミステリー。竜泉家の一族シリーズ第二弾!

孤島の来訪者

竜泉家の一族シリーズとのことですが、前作の主人公・加茂冬馬の書いた記事が登場するだけで竜泉家との関連はない。ちなみに、加茂は佑樹のいとこである伶奈の夫にあたる。

 

殺害された幼なじみの復讐を果たすために、テレビ番組制作会社のADとなった竜泉佑樹は、ターゲット3名を含む、総勢9名で曰くつきの幽世島(無人島)でのロケに参加していた。撮影の一方で復讐計画を実行しようとじっと機会をうかがう佑樹だったが、あろうことか、ターゲットの一人が殺されてしまう。しかも犯人は人外であり、取り押さえる前にロケ関係者に紛れ込んでしまう。見分けることが困難で疑心暗鬼に陥る中、またしても佑樹のターゲットが殺されてしまう。このままでは復讐を横取りされてしまうと犯人探しに乗り出すが、命がけの戦いが待ち受けていた。

 

かつて幽世島は未曽有の惨事に見舞われたことがある。島在住の12名と島を訪れていた教授1名が遺体となって発見された大量殺人事件が起き、いずれの遺体も細長い刃物または錐状のもので心臓を人刺しにされていた。中でも教授の遺体だけは、全身を獣に食い荒らされたようなむごい状態で発見された。『幽世島の獣』事件と呼ばれるようになった本件は、借金に苦しんでいた教授が島民とトラブルが生じた末の犯行だと結論付けた。

 

それから45年が経過し、ふたたび幽世島で起きた殺人事件は『幽世島の獣』事件を彷彿とさせる。予測不可能な孤島に潜む来訪者とはいったい誰なんだ?

感想/まとめ

面白かった。

 

一応前作の『時空旅行者の砂時計』は読後済みだったので、特殊設定ドンと来いと待ち構えていましたが、その展開は斜め上でした。まさか黒猫を犯人だとはノーマークですよ。それほどありえない展開にも関わらず、きちんとしたルールを設けることで物語をめちゃくちゃにさせない上手さ。後半の探偵・竜泉佑樹推理パートでは、あれでもか、これでもかと思うほどのどんでん返しの連続で参りました。

彼は絶対探偵の方が向いていますよ。断言。

 

復讐話しや凄惨な事件の割には、ラストきれいにまとめられており、後味は良かった。

 

次回作が楽しみである!