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望月拓海さんの「顔の見えない僕と嘘つきな君の恋」を読んでみた 感想

今回紹介するのは望月拓海さんの「顔の見えない僕と嘘つきな君の恋」です。占い師の予言通り巡り合った女性たちと過ごす日々の中で気付いてしまった嘘つきな君の秘密。顔の見えない僕の運命の相手は誰なんだ?

 顔の見えない僕と嘘つきな君の恋

子どもの頃の事故により人の顔が認識することができなくなった夏目達也。他人が全て同じ顔に見えてしまう、この体質が原因でいじめに遭い不登校になっていた。さらに父親の死と母親の蒸発が重なって、わずか十五歳にして人生を諦めていた。

そんなある日、待ちで偶然にも占い師に声をかけられる。

「君は運命の女性と出会う。ただし四回。しかも運命を添い遂げるのは簡単ではないし、隠された真実に気が付かないといけない」

僕みたいな普通の人とは違う自分にそんな出会いがあるはずがないと信じていなかった。しかしこの先、占い師の予言どおりに運命の出会いをすることになる。四回の出会いの中にいる運命の女性とは誰なのか。また隠された真実とは何なのか。小説形式のミステリー構成で進められる物語を読みながらこの謎の真相に挑みたい。

 

第一章 運命の出会い 一回目

父が死に、母が去り、独り身になった達也は叔父の次郎に引き取られて新しい暮らしを始めていた。次郎は窃盗を目的とした犯罪グループを率いており、達也も生活のために仕事を手伝わされていた。内向的だがルックスは眉目秀麗で女性受けがいい彼の役割はターゲットとなる家庭の娘に近づき窃盗に役立つ情報を入手することだった。

仕事用のもう一人の自分「桜井玲央」という元気で明るい人格を演じて今回のターゲットである鈴木和花(すずきわか)に接触した。これまでどんな子にも通用した笑顔で早いうちに気に入られようと行動に移すが、予期せぬ反応に戸惑い、これまでの彼女たちとは違う何かを感じ取っていた。

 

第二章 運命の出会い 二回目

次郎の元を離れ、血の繋がりのない妹・葉子と二人暮らしを始めた達也。葉子の進学費用を稼ぐために身を挺して働いていたが、やがて体を壊してしまう。短期間で金を稼ぐためにふたたび詐欺の道へ戻る決意をした二人は、悪女だけに狙いを定めて金をだまし取っていた。

年相応のクール男「成瀬丈二」という夏目達也からかけ離れた人格を演じて今回のターゲットである山名晶(やまなあきら)に接触した。バーテンダーという共通の話題で日に日に急接近していくが、どうも彼女が人を騙すような人に見えなかった。葉子を問い詰めるとやはり彼女は白であった。しかし、もとをたどれば達也が葉子の人生を縛り付けていたことが原因であった。このいきさつを見抜かれた晶に相談し、目先の問題は解決することはできた。また、自分の将来について考えるようになっていた。

 

第三章 運命の出会い 三回目

放送作家として働き始めた達也は、取材で訪れた高級クラブのママ・沙織と知り合いになる。その席で最近達也を悩ませていたもやもやとした心の内を晴らしてくれたばかりでなく、脚本のお手伝いまで買って出てくれた。その延長線上でデートまでしてくれるサービス付き。達也が物語の完成までの期間限定だが、これまで演じていた偽の夏目達也ではなく、素の夏目達也でいられることに幸せを噛みしめて、また何より彼女の隣にいるだけで癒されるのであった。

 

ところが彼女にもまたある秘密があり、達也の物語が完成した日から真実の扉が開かれる!

 

感想/まとめ

面白かった。

なんとなく予想はついたし、どこかで読んだことがある設定が詰め込まれているような気がしましたが、心地の良い騙され方でしたね。