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岩木一麻さんの「がん消滅の罠 完全寛解の謎」を読んでみた 感想

今回紹介するのは岩木一麻さんの「がん消滅の罠 完全寛解の謎」です。第15回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品。連続するがん消滅の謎を追う医療ミステリー。

 がん消滅の罠 完全寛解の謎

日本がんセンター呼吸器内科の夏目医師が診断した末期肺がん患者・小暮麻里。肺内に複数の転移が存在していることから手術は不可能。抗がん剤治療を行っても余命半年ほど。カンファレンスでは、臨床試験を行っている新薬による化学療法を提案する方針が決定された。

 

彼女が加入している保険には、ある一定の余命を切るとその時点で死亡保険金が支払われる「リビングニーズ特約」が盛り込まれていた。母子家庭で障害を持つ娘がいるので経済的に余裕がないと語る彼女に夏目は不安を取り除くようにこれからのことを丁寧に説明した。

 

その後、生命保険会社に勤める友人・森川から夏目が診断した余命僅かの患者が「リビングニーズ特約」で死亡保険金を受け取った後も生存していたこと、さらにがん細胞が消失したことを意味する寛解であることが判明した。一人ならまだしも四人ともなると不正受給を疑わざるを得ない状況に同僚の羽島と共に調査を始めた。

 

すると、湾岸医療センターという病院に辿りつく。がん検診やがん治療で実績があり、政治家などの社会的地位の高い人に支持されている一方で業界ではあまり名の知られていない病院であった。夏目が診断をした寛解患者との関わりが見えてきたことで、重点的に調査すると、不自然ながん患者のデータが浮かび上がった。

 

さらに夏目の大学時代の恩師である西條が理事長を務めていることも判明した。彼は、医師にはできず、医師でなければできず、そしてどんな医師にも成し遂げられなかったことをやると謎めいた言葉を言い残し大学を去って行った。その後の消息は掴めず、行方を追うことを諦めた夏目は思わぬ再会に懐かしさと共に医師を辞めてまでやりたかったことは何だったのかと疑問の再熱を感じ取っていた。

 

夏目らが収集した材料から推測した道と湾岸医療センターが行っている医療が繋がった時、西條が人生を賭けて成し遂げたかったことが明るみになる。

 

魔法のように連続するがん消失の謎の正体とは?

 

 

感想/まとめ

医療ミステリーとしてつまずきやすい専門用語を素人にも分かりやすく丁寧に描写されていて有難かった。ただ僕の頭ではほうほう、なるほどね!にならず最後まで?でした。

周囲を巻き込んだ西条先生の復讐劇だった、これを僕の今の率直な感想です。

 

現在の医療技術で小説のようなことが可能なのか気になった。

予想外の最後の一行もグット!