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彩坂美月さんの「夏の王国で目覚めない」を読んでみた 感想

今回紹介するのは彩坂美月さんの「夏の王国で目覚めない」です。父が再婚し、新しい家族に馴染めないでいた高校生の美咲。正体不明のミステリー作家・三島加深のファンが集うサイトでの交流が心の拠り所であった。ある日、謎を解けば加深の未発表作が贈られるというミステリーツアーに参加することになった美咲だったが、参加者を待っていたのはあるストーリーを演じる過酷な舞台の幕開けだった。

 夏の王国で目覚めない

父が再婚し、新しい母と弟とスタートした家族に馴染めないでいた高校生の天野美咲。家庭内での安らげる居場所を失くした美咲は正体不明のミステリー作家・三島加深の小説にのめり込んでいく。一部に熱狂的なファンを持ち、年齢も性別も明かさない謎の小説家が生みだす、繊細なあやうさに縁どられた独特な文章が美咲を浸食し、壊して、暴いていった。いつしか作品だけに留まらず、作者本人のことをもっと知りたいと思うようになっており、それほどまでに三島加深の存在は大きく美咲の中に棲みついていたのだ。

 

ある日、日課となった三島加深のファンサイトで情報収集に励んでいると選ばれた人間だけが辿りついくことができる隠しファンサイト「月の裏側」の存在を知った。質問形式での問題をクリアした美咲もどうやらその資格を得たようで、浮き立つ気持ちでサイト巡回を始めた。美咲は蟬コロンというハンドルネームを使って掲示板に書き込みし、他のユーザーと交流することで以前にも増して深くハマっていった。

 

一ヶ月が経過した頃に、ファンサイトの管理人・ジョーカーから「架空遊戯」に参加しませんかというメールが届いた。その内容はあらかじめ設定された役割を演じるロールプレイングゲーム。ゲームの期間は三日間で、「コマンド」と呼ばれる主催者からの指示に従いながら、参加者の中に紛れ込んだ犯人役を推理するといったミステリーツアー形式で行われる。

▼ルール

本名を明かしてはいけない。

携帯電話やパソコン等の通信機器を持ち込んではいけない。

「コマンド」には必ず従うこと。

上記をルールを破ったら、ゲーム失格となる。

 

ゲームをクリアした方には三島加深の未発表作品「月のソナチネ」を手に入れることができるとの誘惑に釣られた美咲は迷いながらも参加を決意するのであった。

 

「架空遊戯」のシナリオは、一年前の夏に亡くなった作家・羽霧泉音(うむいずね)の真相を明らかにすることだと判明する。泉音の死は事故死として処理されたが、不自然な死に方に疑問を抱いた作家の弟が、あの日別荘に招待されていた客を偽の招待状で集めたことを白状し、この中に犯人がいると宣言した。ちなみに美咲が演じることになる架空の人物は九条茜(くじょうあかね)という泉音の後輩で大学生。当時、彼女に誘われて別荘に来ていたことから犯人候補の一人として数えられた。

 

参加者たちは「架空遊戯」に登場する人物を演じながら、ジョーカーからの指示に従って物語を進めていく。さまざまな場所を転々としながら、生き残ったものだけが最終候補地で犯人と直接対決する。実際に起きた事件とのつながりを見せ始め、現実と空想がリンクする先に待っていたジョーカーの真の狙いとは何か!

 

感想/まとめ

面白かった。ミステリー小説を読んでいると、こういったミステリーツアー系に憧れる時期もありましたね~。さらに本作はただ、演じるだけでなく、見時からの正体を明かさないルールがあるので何重にも縛られた窮屈感も物語に欠かせないパーツになっている。

 

家族に問題を抱えた再生物語としては気に入ったが、微妙な恋愛模様がイマイチであった。最後も蛇足のように思えてしまう。また登場する皆さんは演劇素人さんですよね?内容そっちのけでちょっと気になってしまった。セリフがスラスラと飛び出してよく混乱しないな~と感心するばかりである。

 

それでも楽しめたことは間違いないので是非どうぞ!