~読んできた本の足跡~

~のんびりまったり日々読書~アニメや雑談も~

知念実希人さんの「神のダイスを見上げて」を読んでみた 感想

今回紹介するのは知念実希人さんの「神のダイスを見上げて」です。小惑星が地球に接近して激突する可能性が高まり、滅亡へのカウントダウンが始まった。混乱する地球で姉を殺された弟は復讐するため残された五日間を過ごすことに。

 神のダイスを見上げて

小惑星『ダイス』が地球に接近して激突する可能性が高まり、全世界が混乱する事態になってしまった。日本時間、2023年10月20日午前10時13分に『ダイス』は地球に最接近、または激突する。その時刻のことを、ある映画にちなんで『裁きの刻』と呼ばれるようになった。

 

第一章 『裁きの刻』まであと五日

漆原亮は、姉である圭子を殺した犯人に復讐しようと地球滅亡までの五日間を過ごそうとしていた。父は家を出ていき、母はガンで死去。亮とって姉は、唯一の家族であり、世界のすべてだった。『裁きの刻』より先に犯人を見つけて復讐するために動き出した。

まずは親友や恋人の心配をよそにある目的のためにクラスで禁忌と呼ばれる四元美咲と会うことにした。彼女が授業で捻挫した翌日、学校に乗り込んできた母親の姿を目のあたりにしてから関わることを避けてクラスから孤立するようになった。そんな四元から紹介してもらった男から拳銃を手に入れることに成功した。『ダイス』に人員を取られているため姉の事件を担当しているのは女性の岩田だけだ。姉の事件を解決して出世を目論む岩田と取引をして情報交換する約束を取り付けた。もちろん亮は、逮捕されるより先に始末するつもりでいたが。

 

第二章 『裁きの刻』まであと四日

圭子の大学の友人である小百合から亮が知らない大学生活のことや男関係のことを聞くために接触した。天文学同好会の先輩である魚住という男がいると教えられてさっそく会いに行くことにしたが、実際には告白はしたが振られておりハズレだった。しかし彼から『ダイス』を崇拝する『賽の目』というサークルに入っていたことや大学教授とよく一緒にいたという情報を手に入れた。あれ以来ちょっとした相談相手となっていた四元と会話が、復讐に取りつかれた亮には冷静さを取り戻す場となっていた。

 

第三章 『裁きの刻』まであと三日

犯人からメールが送られてきて本文には圭子が通っていた大学名と天文同好会部室と表示されていた。罠かもしれないが逆にこれは復讐のチャンスだと捉え、すぐに家を出て目的地の大学へと向かった。しかし、そこにいたのはあの男の遺体だった。彼と接触をしていた亮は警察に疑われて絶体絶命。そのピンチを救ったのは四元だった。彼女のおかげで一旦は難を逃れることができた。今度はその足で大学教授宅へ向かうが、待ち受けていたのはダイスに魅入られ狂気と化した男だった。地球滅亡への時が刻々と迫っている。

 

第四章 『裁きの刻』まであと二日

岩田の協力を得て犯人を罠にはめようと計画を立てた。すべての準備を終えて、お約束になりつつある四元と話して別れを告げた。親友や恋人の裏切りや、暴動化とした国民に追われるなどのハプニングがあったが、駆け込んだ先の教会で受けた言葉を胸に目的地へと向かった。

 

第五章 『裁きの刻』まであと一日

計画が失敗に終わり絶望した亮が会いに行ったのは四元の元だった。そこで四元の過去を知った。日常が壊れた二人だからこそ繋がりが絆が強固となった瞬間でもあった。四元の口から語られた姉の真実。そして、真犯人の正体に亮は閃いた。

 

第六章 『裁きの刻』と~エピローグ~

すべての真相が明らかになる!

 

 感想/まとめ

面白かった。医療ミステリーではないので正直読もうか迷っていたが、正解でしたね。

ダイスが激突して地球が滅びることがあっても最後はひとりではなくふたりで逝ける幸せ。この小説は、こっちのエンドを押したくなりました。

姉弟は家族以上にお互いを想い続けた。距離が近すぎた故にちょっとしたボタンの掛け違いで悲劇が起きてしまった。正常な判断ができないくなる現実に当たり前のような日常が崩れると一気にくる怖さを感じた。

 

あまり関係ないですけど風化や慣れは時に怖いですね。