八重野統摩さんの「プリズム少女~四季には絵を描いて~」を読んでみた 感想
今回紹介するのは八重野統摩さんの「プリズム少女~四季には絵を描いて~」です。進学が就職。将来の分岐点に差し掛かった高校三年生。未来を模索し、悩み、飛躍する少年少女を描いた青春ミステリー。
プリズム少女~四季には絵を描いて~
将来の明確な目的などないまま大学受験のために予備校に通っている真崎賢太郎。そんな将来と向き合わなければいけない時期に差し掛かったある日のこと小学生時代の友人・千代川可苗と再会する。久しぶりの再会にも関わらず、不思議と時間の経過を感じることなく話すことができ、懐かしさと心地よさに挟まれていた。ただ、高校生三年生の春。そんな中途半端で極めて重要な時期に転校しなければいけなかった理由。私にも、わからないとその理由を暈す彼女の表情には固さと翳りが帯びていた。
高校生活ラスト一年。受験までの四季のめぐりと重なるように遭遇した謎の数々。
▼甲子園を目指す強豪校相手に善戦した賢太郎所属の野球部。相手バッテリーの動揺を誘った千代川のファインプレーとは?
▼美術館デートに出かけた賢太郎。鑑賞作品に込められたメッセージとは?
▼万引き犯と遭遇。賢太郎のお節介で見えてきた真相とは?
▼転校してきた理由と千代川の秘密とは?
繊細な思考で紐解いていく彼女の姿を目の当たりすることで少しずつ惹かれていく賢太郎。並行して受験へのタイムリミットも迫ってきた。未だに将来への明確なビジョンが見えない中、模索しながらあがいていく。そして最後に浮かび上がる、千代川に隠された悲しき秘密が明かされた時、賢太郎の選択する道とは?
感想/まとめ
将来の分岐点、絶妙で重要な選択の時期が迫っている少年、少女らの青春を描いた作品でしたね。ミステリー要素は薄めで、悩み多めのもどかしさが目立っていました。主人公を含めてあまり印象に残らないまま埋もれていく感じが残念。
悩めることも幸せなこと。そう置き換えることでゆとりを持つことができると、今の僕からアドバイスを送りたい。
全体的に不完全燃焼のまま終わってしまった。それもまた青春の色なのだろうね。
また、野球ネタで申し訳ないが、試合中に電話はいかんでしょ!どうでもいいことだが、最後まで気持ち悪く引っかかっていたので。