~読んできた本の足跡~

~のんびりまったり日々読書~アニメや雑談も~

はまだ語録さんの「女流棋士は三度殺される」を読んでみた 感想

今回紹介するのははまだ語録さんの「女流棋士は三度殺される」です。人はコンピュータに勝つことはできるのか?将棋に限らず予想される近未来の物語。

 女流棋士は三度殺される

かつて天才少年と呼ばれ数多くの功績を残して将来を有望視されながらもプロ棋士にならず医者を目指している高校生、松森香丞。とある事件でプロ棋士の道を諦めた彼は、高校の将棋部でひっそりと活動していた。一癖も二癖もある幽霊部員所属の将棋部で将棋を指すのは彼一人しかいないのでひっそりと言う言葉が一番似合っているのだ。それでも将棋と関係ない用事で訪ねる者はいる。野球部のエース、陸上部の少女、面倒見がいい女の子、仲のいい兄妹、高校の先輩である最強名人と途切れることがない人に部室は今日もにぎやかだ。

香丞には二人の幼なじみがいる。プロ棋士を目指している坂上桂花と女流棋士として活躍している玉輪歩己。容姿、性格含め正反対な二人だが高校生になってもつながりは途切れていない。

そして今日最後のお客さんとして現れたのが桂花だ。学園祭間近な校内は慌ただしい。もちろん将棋部も例外ではない。プロを目指して勉強や対局で忙しいのに一人で学園祭の準備をする香丞を心配してくれる健気な一面も見せてくれるのが最高だ。

 

ちなみに彼女は女流棋士ではなく、プロ棋士を目指している。

その二つは別物らしい。僕も将棋には詳しくないので同じかと思っていましたが、検索してみると色々諸説が飛び込んできた。イマイチよくわからなかったのでここでは省きますが一つまた勉強になりましたね。

 

ここでの会話でプロ棋士の羽生さんお話と将棋コンピュータのお話と続き衝撃的事実が判明する。もうプロ棋士が負けてから20年、、、20年だと。

そう、これは2033年が舞台なのだ。

 

学園祭の準備をしていたある日、昼食を済ませ部室に戻ると玉輪歩己が倒れているを発見した。凶器なのか、血のついた将棋盤が目につく。何かで殴られた形跡があり、意識不明で植物人間になる恐れがあった。

香丞は彼女を襲った犯人捜しを始めるが、関係者の誰かのために取った行動が事件を複雑化させてしまう。それでも一歩一歩解決へと近づいていったが、彼女の過去には大きな秘密が隠されていたのだ。

 

感想/まとめ

面白かった。将棋に青春を捧げる高校生の青春物語だと思っていたが、ちょっと先の近未来的なお話しでいい意味で裏切られた。将棋に関しての知識は少なく著名な棋士たちが数多く登場するストーリーは好きな人にはたまらないでしょう。(羽生さん、一二三さん、藤井君はなんとか分かった)

今現在の読者からすれば未来に当たる時間軸。コンピュータは今よりもっと高性能になり便利になる世の中になることでしょう。それに伴い奪われる怖さも感じた。

レベルの高い将棋と面白い将棋。人は間違えるから面白い。正しさと面白さは別物。そこに可能性やチャンスが転がっているのではないか。

香丞は彼女を選びましたか。ちょっと悲しいラストでしたが三度死んでも復活する彼女なら乗り越えてくれることでしょうね。