伊東歌詞太郎さんの「家庭教室」を読んでみた 感想
今回紹介するのは伊東歌詞太郎さんの「家庭教室」です。家庭教師というアルバイトを通してそれぞれのご家庭にお邪魔して浮き彫りになってくる問題点を解決に向けて奮闘する姿を描いた短編集です。
家庭教室
大学生の灰原巧は塾講師をクビになった。忙しい両親の代わりに一人の生徒とディズニーへ遊びにいったことがバレて規約違反となったのだ。悪気はなかったが、両陣営どうすることもできなかった。
後日生徒のお父さんからお礼と謝罪の言葉、さらに仕事先を仲介してくれて家庭教師としてアルバイトをすることに決まった。
▼高校受験のためサポート
中間一貫校に通う男子生徒。エスカレーター式にこのまま進学することも可能だが、ほんとに受験希望なのか、本心を確認しようとしたがどっちでもいいとはっきりしない返事が返ってきた。宿題も忙しくてできないとなかなか進まない。
う~ん、どうしたものか考えていると近く開催される文化祭に遊びに行くことにした。そこで彼の隠された才能が目についた。
▼学校のサポート
怪我をして陸上を辞めざる負えなくなった女子生徒。比例して学校の成績も降下していくようになってしまった。勉強をしないと宣言する彼女をどう柔軟していくか対応が迫られる。しかし終盤につれ想像も絶する展開が待ち受けていた。
▼不登校の子のサポート
不登校になってしまった原因はある。以前の成績は良い。いじめや不仲なのか。それとも別の何かなのか?
まずは焦らずお互い仲良くなることを目的に毎週同じ時間に通っていたが自殺未遂を起こされてしまう。一命を取り留め聞かされた衝撃の言葉、不登校の原因は、、、
▼小学生の受験サポート
母親の我が子を愛する感情が少々強いご家庭。受験希望の小学生の女の子から渡されたツイッターのアカウント。そこには年齢を偽証して呟いている彼女の姿があった。小学生とは思えない投資の話題がズラリとならんでおり、ため息しかでない。
先生を味方につけて母親とバトルだ。ちょっと先生誘惑されてないか、、、
▼中学受験のサポート
いじめ。現代社会でもたびたび問題となる話題が軸となる、ちょっと胸糞悪いお話し。
感想/まとめ
面白い、面白くない以前に文章の味が個人的には合わなかった。
なんとか最後まで読み終えることができたという評価でご勘弁してください。
ただ、ご飯の描写シーンは好みでしたね。おなかが減りましたよ。
「会社法」という単語が登場して謎のテンションがあがった。
僕の大好きな有栖川有栖さんの学生アリスシリーズ。何度も繰り返して読んでいますが、短編集「江神二郎の洞察」に「会社法」という単語が登場する編があるんですよ。もっともお気に入りのお話しなので、是非読んでみてください。
法学部とは無縁の生活だったのにこれだけは覚えてしまっていた。