~読んできた本の足跡~

~のんびりまったり日々読書~アニメや雑談も~

神山裕右さんの「カタコンベ」を読んでみた 感想

今回紹介するのは神山裕右さんの「カタコンベです。洞窟内に閉じ込められた人々を一人の男が危険を顧みず単独で救助に向かうストーリー。だが、様々な思惑が複雑に絡み合い混沌化していく。江戸川乱歩賞受賞作!

 カタコンベ

ケイブダイバーの東馬亮は、己の慢心、不注意で致命的なミスを犯していしまい、ケイビングペアを組んでいた水無月健一郎を死なせてしまった。また、遺品を健一郎の娘である弥生に届けたが、受け取ってもらえず返ってきたのは厳しい言葉。事故から五年が経過したが、胸の内は一切晴れることななく贖罪しながら生きていた。

 

ある日、巨大な洞窟が発見されて大規模な洞窟調査が行われることになった。調査チームには東馬もダイバーとして、弥生も研究者として参加することになる。しかし、調査チームの中に別の目的を持って参加している人物がいた。

 

洞窟を前にして天候状態が悪く、雲行きが怪しくなっていた。続行か中止かに判断が割れて、その雲行きの怪しさは人間関係にも及んだ。結局リーダーにより調査続行の判断が下されたが、幸先が悪いスタートを切ることになる。

 

嫌な予感が的中してしまい、土砂崩れで出入り口が塞がれて閉じ込められてしまった。そこに、雨が降り注ぎ、洞窟内が水没するタイムリミットが迫る。

 

調査に遅刻してきた東馬は、閉じ込められた調査チームに弥生がいることに気がついた。洞窟外での救助活動は様々なものが障壁となり難航していた。この日の為に俺はここにいるのだと使命感が生まれ、単独で救助に向かう決意をする。

洞窟内に侵入するには無茶なルートを選ぶしか道筋はない。

それは己の危険も意味する。さらに、拳銃を持った人物が洞窟内にいるとの情報がもたらされる。

東馬の命がけの救助は成功するのか!

 

 

ケイブダイバーは、洞窟での潜水を専門とするダイバーのこと。危険なダイビングであり、洞窟内は常に暗闇に包まれている過酷な現場で知られている。

 

ケービングは、洞窟探検のアウトドアのスポーツ。日本ではポピュラーではないが、ツアーなどが組まれている。

 

感想/まとめ

面白かった。洞窟内の悪意に満ちた展開にハラハラドキドキ。外部との遮断、だれが裏切り者か分からない状態と自然との闘いに緊張感が途切れることなく、最後まで読むことができました。臨場感あふれる描写が特に素晴らしくとても興奮しました。

正直洞窟内がどんな地形になっているのかほとんど理解していませんが、まぁ楽しめたので良しとしましょう。

 

カタコンベの意味が地下墓地なのか~

遺骨も還るべき場所に戻ることができてよかった。