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志水辰夫さんの「行きずりの街」を読んでみた 感想

今回紹介するのは志水辰夫さんの「行きずりの街」です。学園を不祥事で追放された教師。元教え子が東京で失踪したと知って探しに行くことに。そこで、別れた妻と再会する。運命の歯車が動き出し、自分を追放した学園の深い闇に迫ることとなる。

 行きずりの街

教師だった波多野和郎は、教え子との結婚が問題となって学園を辞めざるをえなかった。その教え子とも現在は離婚して田舎で塾講師をしている。

東京の専門学校へ進学するために上京した広瀬ゆかり。彼女は、波多野が勤務している塾に通ってて、時には家まで押し掛けるなどの親交もあった。そんなある日、ゆかりの叔母から音信不通であることを聞いた。東京での暮らしに何かあったのかと心配になり探しに向かうことにした。

ゆかりが暮らしているマンションは、田舎から出てきた学生が払える額ではなかった。男の影が脳裏にちらつく。

管理人に鍵を開けてもらい、中に入ってみたがそこはもぬけの殻。角田という人物宛に封書が届けられており、ちょっとした手がかりも残されていた。

帰宅途中にゆかりを追っている男と遭遇する。何やら物騒な予感が漂ってきた。

 

ゆかりの元ルームメイトに話を聞きに行ったが、彼女も今は連絡を取ってないと言った。さらに思い出したくもない学園時代の顔なじみに会ってしまい嫌な感じが拭えない。

次の目的地のバーに入店すると迎えてくれたのは元教え子で、元妻の雅子だった。いろんな感情や記憶が蘇ってきたが、今はゆかりが捜索が第一だと断ち切りママとお客の関係で夜の時間を過ごした。

 

そして、ある筋から角田の正体が判明した。波多野の負の原点とも言える学園の関係者だったのだ。大学設立に政治家が絡み、理事長の浮気騒動など学園の闇の部分が次第に明らかになっていく。波多野のもその渦に巻き込まれて辞めざるをえなかったのだ。

 

その後、ゆかりとの再会。失踪した理由も判明してこちらから反撃することになる。死者出ていて危ない橋を渡ることになるが、どうなる波多野!

 

そして、雅子との関係もいい方向へ改善しそうな雰囲気が生まれる。

こっちも注目したい。

 

感想/まとめ

面白かった。けど、古さは目立ってしまいますね。発売されて永い年月が経つのだから仕方がないと捉えよう。古き良き小説だ。

失踪系でハッピーエンド?締めは珍しいですね。よりを戻すの戻さないのと気になっていたので良かった。