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蒼井碧さんの「建築史探偵の事件簿 新説・世界七不思議」を読んでみた 感想

今回紹介するのは蒼井碧さんの「建築史探偵の事件簿 新説・世界七不思議です。

建築史探偵の事件簿 新説・世界七不思議

▼第一章 巌竜洞の殺人

高校生の気ままな一人旅で岩手県のとある町を訪れた不結論馬(ふゆいろんま)は、旅館に着くなりさっそく地元の観光スポット「巌竜洞」という鍾乳洞に向かった。旅館の女将さんからの情報では首なしの落ち武者が彷徨い続けているという、いわくつきの鍾乳洞らしい。それでも洞窟内に足を踏み入れた途端、そんな噂は吹き飛んでしまうほどの幻想的な風景が目の前に広がっていた。大自然が生んだ天然の迷宮に見惚れてしまった論馬は、いつのまにか正規のルートを外れてしまい迷い込んでしまう。さらには足を踏み外して転がり落ちて意識を失ってしまった。死を覚悟した論馬が目を覚ますとそこは旅館であり、傍には義兄・不結秀一(ふゆいしゅういち)の姿があった。

ある理由からふたたび巌竜洞に戻った二人が遭遇した首なし死体。

天然の迷宮に紛れ込んだ殺人犯の正体とは。

 

▼第二章 金字塔の雪密室

大学院で建築史の研究をしている論馬のもとを由布院蘆花(ゆふいんろか)と名乗る女性が訪ねてきた。大学教授の義兄・秀一と同じ研究室に所属していると准教授だと紹介された。それで用件というのが秀一から引き継いだ研究テーマのオブザーバーとして論馬が適任だと彼から推薦されたらしい。富士山を研究していると聞いて、一般的な知識しか持たない自分よりも適任だと思う人物を思い出し、元登山家の原崎氏に連絡を取るが、彼は一か月前に事故で亡くなっていた。

お悔やみの言葉を伝えるために、原崎氏が夫婦で経営していた天金白山荘を訪ねた二人が巻き込まれた大量殺人。

雪密室となり果てたログハウス内で何が起きたのか。

 

▼第三章 石灯篭の不可能犯罪

妹・那綱(なづな)の友人・鞠子の実家は古くから続いている石材店である。数日前、敷地内で火災が発生し、資材置き場の一棟が全焼してしまった。出火原因は判明していないのだが、経営者の両親は従業員の誰かが犯人なのではと疑っているという。

天金白山荘で起きた事件の犯人を突き止め、変に期待されている論馬と由布院(なぜかいる)は出火原因を突き止めるために捜査に乗り出した。

 

感想/まとめ

建築史を研究している不結秀一、論馬兄弟と由布院蘆花が巻き込まれた奇妙な事件。鍾乳洞内で発見された首無し死体、雪に覆われて密室状態になったログハウス内での大量殺人、誰もいない場所での謎の発火。それらの事件に向き合い、世界七不思議と日本の歴史の関係性に迫っていく。

個人的には歴史的構造物の謎というジャンルに興味がなく、惹かれない議論が多かったが、由布院さんが唱えた、ギザの大ピラミッドと富士山との関係性。青木ヶ原樹海に全国から自殺志願者が集まる理由が富士山はかつてギザの大ピラミッドの投影だったという推理はなかなか面白かった。