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似鳥鶏さんの「名探偵誕生」を読んでみた 感想

今回紹介するのは似鳥鶏さんの「名探偵誕生」です。隣に住む幼なじみのお姉ちゃんは名探偵。僕の周りで起きた事件をいつも解決してくれた。憧れから始まりいつからか恋心へと変化し、、、少年が大人となり名探偵になるまでを描いた短編集。

 名探偵誕生

 第一話 となり町は別の国

となり町にある幽霊団地に棲むシンカイの噂がクラスで広まった。幽霊団地があるのは高速道路の向こう側。小学生の行動範囲では未知なる世界なのだ。そこへ行ったとなるとクラスでは勇者扱いだ。僕こと星川瑞人は学校の友達と幽霊団地へ探検しに行くことになるが。

辿りいた幽霊団地で目撃したシンカイ。恐る恐るあとをつけていくとある場所で消えてしまった。突飛な現場を目撃してしまい逃げるように帰宅したが、もやもやした気分は晴れなかった

そこで隣に住む波多野千歳お姉ちゃんを頼ることにした。彼女は僕のことをみーくんと呼んで弟のように可愛がってくれていた。そんな彼女が語り出した真相は意外なものだった。

 

感想 これからの日本もこういう人増えてくるかもしれませんね。

 

第二話 恋するドトール

中学生になった僕。今朝投稿すると靴箱に手紙が入っていて一日中落ち着きがない。家に帰って中身を読んでみると、どうやらラブレターのようだ。いつもなら千歳お姉ちゃんに真っ先に相談する場面だが、最近は彼女への気持ちの変化に戸惑っていた。そこで自分の判断で手紙に書かれていた連絡先にメールして日曜日にドトールで会うことになった。

待ち合わせの時間を過ぎても相手が来ないので、色々な考えが頭の中を逡巡していた。考えがひと段落してそろそろ帰ろうとした矢先、テーブルの下に落ちていた携帯電話を見つけた。どうしようか迷っていると、それ私のなの。返してくれると女の人から声をかけられた。普通ならはいそうですかと手渡すのが正解なのだが、何かがおかしいと感じた僕はとっさにこれは僕のですと嘘をついて持ち帰ってしまった。

結局お姉ちゃんに相談することになるが、ラブレターの件も恥ずかしながら話すことになった。そんな彼女が導き出した答えそれは意外や意外、まぎれもなく犯罪であった。

 

感想 僕も大分昔に辿った道。男子中学生の心境が手に取るように分かって懐かしさも感じた。僕もスターバックス注文できない人なので敷地が高いに納得してしまった。

 

第三話 海王星を割る

高校生になった僕。このころになるとお姉ちゃんへの気持ちは、はっきりと固まっていた。鋭いお姉ちゃんのことだから僕の気持ちは筒抜けだろう。今は勉強を見てくれる大学院生と生徒の関係で昔から変わらずそれ以上でも以下でもないが。

さて友達と文化祭に出かけた先でトラブルに巻き込まれてしまう。天文部では模型の展示をしていたが力作の海王星が何者かの手によって壊されてしまったのだ。僕は、部外者ながら聞き込みを開始するが、犯行時刻が絞れなく悪戦苦闘していた。僕の今の力ではここまで、後は名探偵の彼女に頼るしかない。

 

感想 なるほど恋は時に暴走してしまうこともある。その流れでみーくんが、、、

 

第四話 愛していると言えるのか

大学生となった僕。大学の研究室つながりで誘われキャンプに来ていた。千歳お姉ちゃんと彼氏の馳さんも一緒だ。

彼氏、、、そう僕は失恋していたのだ。高校生のころに紹介されて早三年が経とうとしていた。そろそろ結婚も視野に入れているのかなと勝手に考えていた。諦めたつもりでいたが、間近で仲の良さを見せつけられると未だに辛さが湧きあがる。

それでもお酒も進み、ワイワイとした雰囲気で盛り上がりを見せた一日目は終えた。次の日の朝早く起こされた僕は、ログキャビンが燃え盛る炎に包まれる姿を茫然と見送るしかなかった。消火活動で炎が弱まり突入したところ仲間の内のひとりが亡くなっていた。

お姉ちゃんは冷静でこれは事故でなく殺人事件だと断定していた。さらに犯人は私たちの中にいると。そして、彼女が犯人として挙げた名前は意外な人物だった。

 

感想 ついに僕が彼女の為に立ち上がるときがきましたね。

 

第五話 初恋の終わる日

名探偵としての始まる日、そして、初恋の終わる日。

是非読んで真犯人を確かめてください。

 

感想/まとめ

面白かった。似鳥作品は安定性がありますよね。表紙絵もイケメンですな~

 

主人公のみーくんが小学生から大学生に少年から大人になり、名探偵になるまでを描いた作品。初恋のテンプレートみたいな話だが、懐かしさや哀愁が終始漂っていた。一番近くで名探偵を見てきてその教えを胸に解決する。う~ん、なんてすばらしい姉弟関係なんだ!

みーくんの恋を応援したい気持ちが読んでいて芽生えてきたが、この締め方、以外と好きだったりする。

それでも表紙絵の彼の表情から察するように、どこか寂寥感があるのもこの小説の特徴なのかもしれなせんね。