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知念実希人さんの「傷痕のメッセージ」を読んでみた 感想

今回紹介するのは知念実希人さんの「傷痕のメッセージ」です。

傷痕のメッセージ

純正会医科大学付属病院で働く水城千早(みずきちはや)は現在病理部へ出向していた。つい先日まで外科医として日夜忙しい日々を過ごしていたのが嘘のように落ち着いた雰囲気に自然とため息まで出てしまう。大雑把な性格をしている千早にとってここでの細かな作業は苦痛でしかなかった。さらに、ほとんど面識のない元同級生・刀祢詩織(とうやしおり)が千早の指導医になったことで、対応にも苦慮していた。

 

そんな時、癌で入院中だった父が急変し、亡くなってしまう。唯一の肉親を失ってしまい悲嘆に暮れる千早の前に現れた弁護士は、自分が死んだらすぐに遺体を解剖して欲しいと、父の遺言を告げた。解剖に納得がいかない千早だったが、なぜ父は解剖を望んだのか、その意味を知る為に執刀医の詩織の助手として自分も解剖に立ち会うことで同意した。

解剖の結果、胃壁に謎のメッセージが残されていた。困惑する千早に今度は警視庁捜査一課の桜井公康(さくらいきみやす)刑事が訪ねてきた。そこで父がかつて鬼刑事だったことを知り、28年前に起きた折り紙連続殺人事件、「千羽鶴」と呼ばれる犯人を追っていたことも判明した。

 

父の急変から始まり、解剖する遺言、胃に刻まれた謎のメッセージ、警視庁捜査一課の刑事だった父の過去とわずか一日でさまざまなことを知り得たが、何と言っても気がかりなのが父の胃に刻まれた謎のメッセージである。なんとか読み取れた「ムスメニイウナ」という文字がこれ以上行動することに躊躇していた千早だったが、詩織に説得される形で父の意志を読み解こうと決意する。

 

そんな矢先、千早の実家が何者かに放火されてしまう。さらに時を同じくし、28年前に起きた折り紙連続殺人事件と同様な事件が起こる。命の危険を感じ取った千早と詩織はメッセージの解読を急ぐが、、、

 

感想/まとめ

面白かった。

最初のプロローグでの胃壁にメッセージのインパクトがとてつもなく強いが、その勢いに負けないくらい本編も面白かった。血のつながりだけが親子ではない。父のメッセージを受け取った最後の千早の言葉「私は水城千早。水城譲の一人娘よ」には痺れましたね。

 

千早と詩織が仲良くなっていく過程も読んでいて良かった。父の解剖前を巡って化粧をして現れた詩織を前にしてどちら様ですかは不謹慎ながら笑ってしまった。

 

また他の作品と登場人物がリンクして別の楽しみ方もありますね。