織守きょうやさんの「ただし、無音に限り」を読んでみた 感想
今回紹介するのは織守きょうやさんの「ただし、無音に限り」です。死者の霊を見ることができる私立探偵に持ち込まれた二つの事件。記憶を読みとり、残された想いから見えてくる事件の真相とは。
ただし、無音に限り
第一話 執行人の手
天野春近探偵事務所に弁護士の朽木から依頼が持ち込まれた。依頼内容は、自宅療養中の資産家の老人の死についてだ。治る見込みのない病気を患っており、病死として処理されたが、彼の娘が父親の死に不審な点があると訴えた。亡くなった当日に見舞いに行った際には元気な姿を見せていたのに、帰宅した後で容態が急変したのはおかしいのではないか。同居中で、第一発見者で、財産の大部分を相続する中学生の孫に疑いの目を向けていたのだ。しかし、遺体は解剖されずに荼毘に付されているし、警察も今のままでは相手にしてくれない。そこで、お呼ばれしたのが天野春近だった。彼は、ただの私立探偵ではない。死んだ人間の姿が見ることができる能力を持っていた。ただし、死者から犯人を教えてもらって事件解決とはいかない。そこまで万能な能力でなく、事件を解決するためには彼自身で霊の記憶を読みとり推理をしなければならない。
残された想いから見えてくる事件の真相とは。
第二話 失踪人の貌
今度も弁護士の朽木から依頼が持ち込まれた。依頼内容は、二年前に失踪した夫を捜して欲しいとのこと。経営難に陥った会社と多額の借金を残したまま、突然いなくなってしまったらしい。依頼人の妻は、夫はすでに自殺しているのではないかと考えており、実際に失踪する晩に車に乗って山へ向かっていく目撃情報もあった。車も山中に残されたままだった。広い山の中での遺体探しなら、霊を見ることができる天野春近の出番だと朽木は考えていた。日頃からお世話になっている朽木の役に立てるならと引き受けて調査を開始するが、、、
残された想いから見えてくる事件の真相とは。
感想/まとめ
普通でした。ガチガチの幽霊探偵ものではないのでいい意味で気軽に読むことができましたね。探偵さんも良い人そうで推理はポンコツっぽい人だったし、いつの間にか優秀な相棒みたいな感じになっていた孫の楓クンとのコンビには次回作があったら期待したい。
『記憶屋』は、面白かったのでそちらをおススメしたい。映画化もされるのでまた人気が再熱するかもしれません。
それにしても作者さんの職業は弁護士さんなのですね、それが一番驚いた。