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西澤保彦さんの「スリーピング事故物件」を読んでみた 感想

今回紹介するのは西澤保彦さんの「スリーピング事故物件」です。

スリーピング事故物件

数十年前に殺人事件が起きた、いわゆる事故物件でルームシェアすることになったユウさんこと渕口由布子(ふちぐちゆうこ)、音尾初音(おとおはつね)、渕口真歩(ふちぐちまほ)の女性三人組。

 

ユウさんと初音は八つ違いだが付き合いは長い。男関係にだらしない二人は互いの恋人を寝取り、寝取られしながらも関係は切れずに最終的には百合の波動を感じさせていた。一方でユウさんの姪、大学生の真歩はユウさん曰く純情可憐な乙女らしい。だから私たちみたいにこっちの世界に引きずり込むなと初音に釘を刺すのを忘れなかった。

 

 

さてそんな三人がルームシェアする〈板羽ステイツ〉503号室。

ある一室の部屋に置かれた曰くつきのワープロに真歩が触ると、これまで誰が触ってもうんともすんとも反応しなかったはずが突然電源が入った。真歩が文字を入力すると、数十年前に殺された箕浦奏人(みのうらかなと)が文字を打ち返してきた。それまで会ったことがない見ず知らずの女に殺されたと語る奏人。死者からのメッセージを受け取った三人は、奏人がなぜ殺されたのか、犯人はいったい誰なのか、奏人と交信しながら事件を調べ始めた。

 

未だに奏人を殺害した犯人は捕まっていない。警察は生前の人間関係を念入りに調べたが、これといった容疑者が捜査線上に浮上してこなかった。怨恨の線は完全に消え、今度は同市内で起きた別の殺人事件について何か重要なことを掴んでしまったことで犯人に目をつけられたのではと考えられた。ワンルームマンションで笹生ツトムという若い男が何者かに殺害された事件。二人にこれといった接点はないが、ここ〈板羽ステイツ〉が重要な役割を持つことになる。

 

百合、酒、特殊設定など西澤作品の魅力が詰まった長編ミステリー

 

感想/まとめ

面白かった。

全体的にらしさが控えめであり、西澤作品が大好きな僕としては物足りなく感じていた。

 

動機は西澤さんっぽい感じで、「聯愁殺」を思い出しましたよ。