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西澤保彦さんの「赤い糸の呻き」を読んでみた 感想

今回紹介するのは西澤保彦さんの「赤い糸の呻き」です。

赤い糸の呻き

▼お弁当ぐるぐる

リストラされ未だに再就職もままならないこの家の主、藤川光司が自宅で殺害されているのが発見された。夫の代わりに仕事の出ている妻お手製弁当がキッチンに洗った状態で残されてた。ところが死亡解剖の結果、被害者の胃の中は空っぽだったことが判明する。ではいったいお弁当の中身はどこに消えたのだろうか。

その後、蔵の中に秘蔵されていた掛け軸や壺、絵画などの美術品が盗まれていたことが判明し、強盗殺人として捜査が始まったのだが、、、

 

ぬいぐるみ警部シリーズの短編集。ぬいぐるみを偏愛するイケメン音無警部と彼との恋を妄想する則竹佐智枝刑事をはじめとした個性的な面々を描いた作品。

実はこのシリーズ読んだことがないので気にはなっていたのですが、、、面白い!

 

▼墓標の庭

物部太郎探偵事務所に自宅の庭に女の幽霊が出るので調査して欲しいと依頼が舞い込んできた。なんでも父親が亡くなる直前に、妻を殺して死体を自宅の庭に埋めたと告白されていたらしい。その後、自宅の庭を掘り返してみたところ父親の言葉通りに風化した人骨が発見された。これで一応、一件落着かと思われた幽霊騒ぎだったが、依頼人の女性が自宅で何者かに殺害されてしまう。

 

都筑道夫の物部太郎シリーズのパスティーシュ作品。

実はこのシリーズも読んだことがないが、、、本家が気になります!

 

▼カモはネギと鍋のなか

憧れの掛川美幸先輩からお誘いのお手紙にウキウキ気分で待ち合わせ場所に向かったのはいいが、約束の時間を過ぎても先輩は現れなかった。いい加減、諦めて帰りたいが、すれ違いになったりでもしたら悔やんでも悔やみきれない。どうしようか真剣に迷っていると目の前に紙飛行機が落ちてきた。中身は先輩からのSOSであり、とりあえず指定されたマンションへ行ってみると、なんと部屋で先輩が死んでいた。とにかく警察に通報するために一時部屋を後にするが、警察を引き連れて戻ってくるとなんと死体が増えていたのだ。

 

ユッキー、、、柚木崎渓、、、あのシリーズですか!

ようやく知っている作品に巡り合えてテンションが上がります。

時系列的にこのお話しが最初なのかな?

 

▼対の住処

商店街の裏路地に男性が死んでいると匿名で警察に通報があった。

捜査を担当する若狭はかつて自分が捜査した事件との既視感を覚えた。

やがて彼が辿りついた真相は驚愕するものであった。

 

ひえ~って感じの動機でしたね。

 

▼赤い糸の呻き

結婚式場へ向かうエレベータ内で、指名手配犯を監視していた刑事。

すると突然の地震と停電にエレベータ内は騒然とするが、電力復旧後になんと乗客の一人が殺害されていた。逃走した指名手配犯の身柄は確保して、本人も自供したことで事件は一件落着かと思いきや刑事の一人がこの終わり方で納得していなかった。

その後も個人で捜査を続けていたその刑事は二年後に亡くなってしまい、、、

 

最後のゾッとするようなオチが好みである。

 

感想/まとめ

面白かった。

個人的にはぬいぐるみ警部シリーズが気になったり、ユッキーにまた会いたくなったりして新鮮さと懐かしさを味わえた短編集でした。