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麻見和史さんの「真夜中のタランテラ」を読んでみた 感想

今回紹介するのは麻見和史さんの「真夜中のタランテラ」です。

真夜中のタランテラ

義足ダンサーとして有名だった桐生志摩子の奇妙な死体が、野外劇場の搬入口近くのベンチで発見された。現場は、彼女が自らの人生と重ね合わせ、常に意識していたアンデルセンの童話『赤い靴』になぞられたような状況であった。健常だった右足は切断されて行方不明になり、彼女の左義足と持ち主不明の右義足が赤い靴を履かされ、舞台に残されていた。

 

義足ダンサーとしての活動を続ける傍ら、ハンデキャップを持つ人々の支援活動などにも力を注いていた彼女は、日本義肢協会のイメージモデルも務めていた。もっと義肢装具のこと知ってもらい、一般社会にも浸透して意識が変わって欲しいとの希望も込められていた。桐生志摩子という広告塔のおかげもあって、徐々にではあるが追い風が吹いた矢先での彼女の死。これは業界にとっても、義足ユーザーにとっても痛手であった。

 

そんな業界の一つである仲井義肢製作所で義肢装具士として働いている香坂徹。妹の奈緒は義足ユーザーであり、桐生志摩子バレエスタジオでピアノを弾いていた。スタジオで志摩子と過ごす時間は特別であり、ダンサーに憧れていた奈緒もまた彼女の死に悲しんでいた。そのつてで彼女の夫から事件についての相談を受けた奈緒は、二人が兄のように慕う鴇圭一郎に協力を求めた。

 

さっそく調査を開始するが、何者かに奈緒が襲われてしまう。幸いにも命に別状はなかったが、今度は徹の同僚が殺害されてしまう。被害者もまた義足ユーザーで、またしても赤い靴を再現したかのような現場に犯人の意図がなかなかつかめない。

 

そうしているうちに事態は予想もしない展開を見せ始めて、、、

 

感想/まとめ

面白かった。

 

切断死体と聞いてどんな風に仕上がっているミステリーなのか楽しんでいる一方、事故や病気などで切断を余儀なくされた人達がいることを改めて知り、複雑な気持ちで読んでいた。最近ではパラリンピックなどで関心を持たれることも多くなりつつあることでしょう。ミステリーを通じて義肢について少しでも触れあうことができて良かった。