有栖川有栖さんの「カナダ金貨の謎」を読んでみた 感想
今回紹介するのは有栖川有栖さんの「カナダ金貨の謎」です。犯罪心理学者の火村&推理作家のアリスコンビが活躍する国名シリーズ第10弾!
カナダ金貨の謎
▼船長が死んだ夜
町はずれの一軒家で一人暮らしをしていた元船長の小郡春雄が何者かに刃物で刺殺された。船長というあだ名で地元住人から親しまれ、また何か困った時の便利屋として重宝されていた。船長は男前だし当然女性にもモテる。複数の女性が彼に好意を抱いており、何かトラブルがあったのではと動機のある人物を探って行く。
偶然にも現場付近を訪れていた火村とアリスは、毎度のことながらフィールドワークとして捜査に参加することになるが、、、
▼エア・キャット
定年退職した後、悠々自適な生活を送っていた金子泰志が殺害された。人付き合いはあまりなく、誰かの恨みを買うような人ではなかったと第一発見者の姉は証言した。気になる点として挙げると、猫を飼っているふりをしていたことだ。以前飼っていて老衰死した三毛猫をあやすようにして、寂しさを紛らわしていたらしいが。
猫が事件を紐解く鍵となるエア・キャット。火村は意外な手掛かりから犯人に辿りつく。
▼カナダ金貨の謎
自宅で発見された楓丹次の絞殺死体。殺害現場から持ち去られていたのは、一枚の金貨だった。完全犯罪を計画していた犯人の太刀川公司。丹次と同棲中の恋人・芳原彩音の旅行中を狙って犯行に及んだまでは良かったのだが、彼女の予想外の帰宅に計画は狂ってしまう。
焦る太刀川を火村&アリスはロジックで追い詰めていく。
▼あるトリックの蹉跌
火村とアリスの大学時代のお話し。
▼トロッコの行方
歩道橋から転落して浮田真幸という女性が死亡した。ネイリストをしていた彼女は、自分の店を出すために、愛人の八野から資金を工面される予定であった。ところが八野の方でトラブルがあり、強引な資金調達をする羽目になる。そのことが原因で真幸は恨みを買うことになるが、、、
冒頭で登場したトロッコ問題とのつながりはお見事である。
感想/まとめ
面白かった。
息の合ったコンビは今作も健在、安心して読めました。
国名シリーズは飛び飛びで読んでいるので、順番がごちゃごちゃで申し訳ない。
ちらっと登場したスイス時計の謎がちょっと気になり始めるこの頃です。