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倉知淳さんの「月下美人の待つ庭で 猫丸先輩の妄言」を読んでみた 感想

今回紹介するのは倉知淳さんの「月下美人の待つ庭で 猫丸先輩の妄言」です。久しぶりの新作猫丸先輩シリーズ短編集!

月下美人の待つ庭で 猫丸先輩の妄言

▼ねこちゃんパズル

区民ホールの看板に隠してあった謎のメモ用紙を持ち去ったクリント・イーストウッド似の外国人。さらには交通量調査員と測量士とも何やら会話していた。偶然にも謎のメモ用紙を発見した八木沢は、彼が何者なのか、そして何をやっていたのか、そのことがどうしても気になってもやもやしていた。

 

▼恐怖の一枚

オカルト雑誌の心霊写真特集企画で読者から送られてきた心霊写真。そのほとんどがシミュラクラ現象やパレイドリア現象に当て嵌まるものだった。質の高い恐怖の一枚を求めている出版社が頭を抱える中、おっさんが山の中で突っ立っているだけの何の変哲もない写真を手にした猫丸先輩は恐ろしい事を語り出した。

 

▼ついているきみへ

バイト先の彩音先輩と二人っきりのお出かけにテンションが上がる柿原悟。行き先は女性に人気がある通称じんごちゃんのラジオ公開収録の現場であり、なぜこんなおっさんが女性に人気があるのか悟には理解不能であった。

さて、じんごちゃん登場までの時間を持て余した若者二人は、最近お互いに遭遇した日常の謎(ペットボトルの蓋をプレゼント&わんちゃんプチ誘拐)について語り出す。

 

▼海の勇者

台風接近で海は大荒れ。こんな天候では海水浴を楽しむお客なんてくるはずない。それなのにオーナーの命令で開けざるを得ない昔ながらの海の家。そんな中、台風の砂浜に残された足跡を発見したバイトリーダーは荒れた海に人が飛び込んだと大騒ぎ。取材目的に訪ねた猫丸先輩は落ち着きなさいとひとつの仮説を話し始めた。

 

月下美人の待つ庭で

亡き母が遺した庭の管理を任された息子。母が待ちわびていた月下美人を待つ庭で、三日連続で不法侵入する不可解な事態が発生した。神出鬼没の猫丸先輩が語り出す侵入者の目的とは。

 

感想/まとめ

久しぶりの猫丸先輩シリーズ!

数年、数十年ぶりらしいのですが、猫丸先輩ってこんな人だっけ。そんなレベルまで忘れてしまっていた。今風で言うと早口でしゃべりまくるオタクっぽい人なのかな。

 

僕の場合ですが、短編集って基本的に忘れてしまうんですよね。そんな中でも特に印象に残っているが、▼ついているきみへです。はっきりとした正解のない猫丸先輩の推理の中で、この作品は一番すっきりした。

 

今作も面白いが、それでも僕の中で越えられない壁として立ちふさがる、過ぎゆく風はみどり色星降り山荘の殺人の二作品は飛びぬけて面白いのでおススメです。