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澤村伊智さんの「予言の島」を読んでみた 感想

今回紹介するのは澤村伊智さんの「予言の島」です。

 予言の島

上司のパワハラに耐えられなくなり、自殺未遂を起こした大原宗作と久しぶりの再会を果たした天宮淳は労いの言葉をかけて出迎えた。宗作のことを聞きつけたもう一人の友人・岬春夫も駆け付けて、励ましと気分転換も兼ねて旅行に行かないかと提案した。

 

行先の霧久井島は最近話題になっている心霊スポットである。なんでも90年代半ばにこの島で心霊番組の撮影のため、霊能力者として出演していた宇津木幽子がおかしくなり、その後死んでしまったという因縁がある。彼女が死ぬ直前に今年の8月25日から26日の未明にかけて、霧久井島で6人が死ぬと予言を残していた。その予言のことはともかく、宗作の症状が快方に向かうことを密かに期待していた。

 

そんな思いとは裏腹に島に上陸するなり、不穏な空気が漂い出した。当時の様子を知る老婆から宇津木幽子はヒキタの怨霊に殺された、また疋田山には絶対に入るなと忠告を受けるとともに今晩お世話になる予定だった宿には怨霊が下りてくるからと断られてしまう。幸いにも島にもう一軒ある「民宿あそう」に泊ることができたが、ここまで通じるものがあると宇津木幽子の予言が脳裏をちらつき、嫌な胸騒ぎが拭えない。幽子の孫や彼女を信仰する者、何かを暗示するような親子など物語の関係者は次々と淳たち周辺に集まり出していた。

 

翌朝、目を覚ますと春夫がいなくなったことに気が付いた。淳と宗作は豪雨の中、探しに行くが、残念なことに海に浮かんで変わり果てた姿で発見された。検視した駐在は春夫の死を溺死だと判断し、島の作法に沿って弔ってくれた。しかし、後頭部に後ろから何かで殴られたような外傷があり、殺された可能性が浮上。不慮の事故による溺死で片づけようとした駐在と緊急事態だと訴える淳の呼びかけを無視する島民。また島には台風が接近しており、孤立状態。得体の知れない恐怖感に包まれるのであった。責任を感じて春夫の仇をとると飛び出して行った宗作は「ヒキタの怨霊だ。予言もきっと当たる」と謎の電話を言い残し、昏倒した状態で発見された。

 

春夫を襲った犯人と宗作が昏倒した理由。そして、島を蔓延るヒキタの怨霊の正体とは?

感想/まとめ

面白かった。

怨霊の正体は読んでいて察しがついた。

それよりも、淳の携帯電話にかけてきたはずなのに春夫のあの戸惑い。

その理由に絶句。この件が一番のホラーですよ。