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貫井徳郎さんの「被害者は誰?」を読んでみた 感想

今回紹介するのは貫井徳郎さんの「被害者は誰?」です。豪邸に埋められた白骨死体は誰だ?表題作を含む四編から構成された短編集です。安楽椅子探偵吉祥院慶彦の華麗なる推理をご覧あれ!

 被害者は誰?

刑事の桂島と売れっ子小説家であり安楽椅子探偵吉祥院慶彦コンビ。大学時代のサークルの先輩後輩の関係。ミステリ作家であり、謎と事件が大好きな吉祥院に、難事件にぶち当たって困っている時に愚痴をこぼしたら、解決してしまった。それ以来、何かあれば相談するようになり付き合いが続いている。桂島の上司たちも捜査情報漏えいを黙認したり、遠回りに頼ったりしている。

さて今作は、桂島から吉祥院を頼った四つの短編集になります。どんな事件が待っているのか楽しみながら読んでいきましょう。

 

▼被害者は誰?

不幸な偶然が重なり、豪邸の庭に埋められていた白骨死体が発見された。容疑者は、亀山という男で決まりなのだが、被害者が誰だか分からない。所持品から身元を割り出すのは困難であり、現在判明していることは、女性であり年齢が二十代から五十代の間ということだけだった。

何も分かっていないと同様な状況だが、ただ一つだけ手がかりがあり、亀山は犯行に至るまでの気持ちを手記に残していたのだ。殺害候補に、挙がっているのは三人の女性。中身で長年の恨みが綴られているが、中途半端に終えており、肝心の被害者の名前が残されていない。

安楽椅子探偵吉祥院慶彦が手記から読み取った被害者は誰?

 

感想 手記に何かあると思ったら、そういうことでしたか。三人の女性がその後の人生に成功している皮肉もいやらしく効いてきた。

 

▼目撃者は誰?

《お前たちの不倫現場を見たぞ》とそっけない文面で短く書かれた封書が届けられた。もちろん身に覚えがあり、相手は憧れていた女性。学生時代に同級生も上級生も夢中になった女性との十年ぶりの再会で関係を持ってしまった。そんな高嶺の花を手放さないために目撃者捜しを始めるが、、、

 

感想 そこに辿りつくわけですね。

 

▼探偵は誰?

小説家の吉祥院慶彦は、学生時代に遭遇して自ら解決した殺人事件をネタに原稿を完成させた。ノンフィクションを心配して桂島に問題がないかチェックを兼ねて読んでもらうことになった。登場人物の中から、見事俺をあてることができたら昼飯をおごってやると珍しい提案に俄然やる気になり、さっそく原稿を手に取って読み始めるが、、、

 

感想 結局勝負に負けて奢る展開になるのは想像できていましたけどね。

 

▼名探偵は誰?

交通事故に遭い、複雑骨折で入院中だ。ベットの上で安静にしている彼の元へ、先輩と呼ぶ彼から面白い(不謹慎だが)事件が届けられたが、、、

 

感想 一本取られた。

 

感想/まとめ

面白かった。貫井作品にしては珍しくライトでふわふわした気持ちで読めるタイプの小説でしたね。それでいて直球から変化球まであらゆるパターンが味わえて、この一冊で得した気分だ。

「慟哭」とはホントに真逆のタイプでしたね。あのラストでは絶望を味わい、立ち直るのに現実でも数日要してしまったからね。

 

桂島と吉祥院コンビのやりとりも最高だった。