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浅倉秋成さんの「九度目の一八歳を迎えた君と」を読んでみた 感想

今回紹介するのは浅倉秋成さんの「九度目の一八歳を迎えた君と」です。

九度目の一八歳を迎えた君と

印刷会社に勤めている間瀬は、ある朝のこと、通勤途中の駅のホームで高校時代の同級生・二和美咲の姿を目撃する。しかし、彼女は高校生の制服を着て、18歳の当時と変わらぬ姿をしていた。間瀬が卒業した後もずっと高校三年生を続けているという。周囲の人間も不思議とは思っておらず、間瀬だけが違和感を覚えた。どうして彼女は年を取らないのか。また、何故、高校生を何度も繰り返すのか。その答えは最初の高校三年生(間瀬の代)の日々に原因があるはずだと考え、かつての友人や恩師の元を訪ね、二和美咲について調べ始めた。

 

高校の同級生で間瀬が30歳になろうとしているのに二和は18歳の高校生で当時とまったく変わらぬ姿をしているとなれば、まさしく非現実的な光景である。百歩譲って留年などの措置が取られている可能性も考えたが、歳を取らずに容姿の変化がないのはおかしい。現在の同級生も先生も学校では誰も二和の様子に違和感なく受け入れている。年齢を患うことは、誰にでも起こりうることだと胸に刻むしかないのだ。

 

さて二和に18歳のままでいる理由を聞いてもはぐらかされて一向に埒が明かない。ならば勝手に調べるまでだと間瀬は高校時代の友人や恩師に訪ねることになる。ところが行く先々でも二和が高校生を続けていて、歳を取らないことに対して不思議とは誰も感じ取っていないようだった。また二和の過去を拾うということは、自身の過去とも向き合うことを意味していた。二和に淡い恋心を抱いていた間瀬は、想いを綴ったラブレターをある理由から渡せなかった。しっかりと施錠し、蓋をしていた当時のが記憶が甦って、大人になった間瀬はどう感じるのか。これもまた青春の一ページである。

 

大人になるとはどういうことなんだろう?

 

感想/まとめ

面白かった。

九度目の~タイトルからループものだと推測したが、これまた違った特殊設定を読めた。

 

ただ間瀬さんがなんで吐血していたのか、無理矢理歳を取っていた代償ということかな。