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瀬尾まいこさんの「君が夏を走らせる」を読んでみた 感想

今回紹介するのは瀬尾まいこさんの「君が夏を走らせる」です。2019年本屋大賞で瀬尾さんの「そして、バトンは渡された」が選ばれましたね、おめでとうございます。それで何か同作者さんの本を読もうと図書館で見つけたのがこの本でした。振り回されながらも奮闘する姿には感動を覚えること間違いないでしょう。

 君が夏を走らせる

高校の先輩であった中村先輩からバイトの誘いを受けた高校生の大田。彼はタバコ、髪染め、教師に反発等、俗に言う不良だった。中学の時に出会った駅伝に夢中になり、自分の立ち位置、変わるきっかけを掴むことができたのだ。しかし受験を失敗して、入学した高校ではどっちつかずの生活。ただただ時間だけが過ぎていった。

 

建設会社に勤めているので荷物の積み下ろしや梱包作業の手伝いだと勝手に思いこみ引き受けたが、実は予想外なバイトであった。一ヶ月の間、彼の娘一歳十ヶ月の鈴香の面倒を見てほしいと頼まれたのである。奥さんの方が出産で急遽入院しなくてはならなく、保育園や託児所を捜す時間がなかった。先輩は仕事、両親はとある事情があり頼めない。そこで白羽の矢が立ったのが大田だった。お世話になっていた先輩を突き放すことはできず、引き受けることは困難な道だと分かりながらも、面倒を見ることに同意したのだ。

 

アルバイト初日はとにかく大変だった。とにかく泣く、泣く、泣く。様子を見に来た先輩に起こされるまで一緒に疲れて眠ってしまった。それでも数日が過ぎて、慣れというか余裕ができるようになった。いまだに振り回されてはいるが、、、

冷蔵庫に味気ないレトルトばかりが用意されていた。考えた末に得意のチャーハンをごちそうすることにした。そしたらもぐもぐ食べてくれたのだ。一緒に料理、食事をする姿にはニヤニヤしてしまう。このころには鈴香と意思疎通?もできるようになってきた。

 

十日が過ぎ、二人の公園デビューするときが来た。子育ての先輩方のお母さんたちに輪に入れるのか、この容姿で受け入れてくれるか心配だったが、問題なかった。ここではこどもたちのことを話せる仲間なのだから。こちらから無理に反発することはない。自然のままでいい。

 

生活の日常になっていた面倒見も終わりの時が近づいていた。何かと苦労も多かった日々だが鈴香と過ごす時間は、居心地の良い時間へと変化していった。それでも近づく別れへのカウントダウン。あと数日だけだからと先輩は辛抱してくれと頼む仕草を見せ、思わず笑みで返事をしたが大田の心境は複雑だった。鈴香と遊んで、食べて、公園を走り、お母さんたちとの会話。今の彼には生活のすべてだった。代わりを見つけることができるか、以前の生活へと戻ってしまうのか。

そして、別れの時。鈴香からの「がんばってー」の言葉が答えでしょう。まだ大田も若い。これから長い人生が待っているのだ。大人になり、思い出として二人が過ごした時間を語れる時がくるまで頑張って欲しいですね。

感想/まとめ

う~ん、僕の好みではなかったですね。不良というかそういう人たちが苦手でして、奮闘する姿を描いても感情が邪魔して正確な評価ができないのでしょうね。まだ親になっていないのもあり、読んでいて苦労や感動は感じとれたけど、本物ではなかった。

続編らしく、前作を読んでいたらまた違った感想を抱くことができたのかな。

 

それにしてもご両親に勝手に手紙出していいのかな~。その後もなく消化不良な感じで少しもやもや。