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万丈貴恵さんの「時空旅行者の砂時計」を読んでみた 感想

今回紹介するのは万丈貴恵さんの「時空旅行者の砂時計」です。クローズド・サークル×タイムトラベルミステリ。

空旅行者の砂時計

主人公・加茂冬馬が瀕死の妻・伶奈を助けるために、マイスター・ホラと名乗る謎の人物に導かれて2018年から1960年にタイムトラベルをした。妻の先祖・竜泉家では、過去に人々が何者かに殺害され、後に起こった土砂崩れで一族の人間がほとんど亡くなった「死野の惨劇」という悲劇で語り継がれていた。その真相解明こそが妻の命を救うことにも繋がるとマイスター・ホラは話す。残されたタイムリミットは、土砂崩れがすべてを呑み込むまでの四日間。閉ざされた館の中で起こる不可解な事件の真相を暴き、加茂は妻の待つ2018年に戻ることができるのか。

 

1960年8月に竜泉家で最初の不幸が降りかかる。当主の誕生日を祝うために詩野の別荘に集まった竜泉家の親族と関係者は、陸の孤島に閉じ込めれ、殺意を抱いた何者かに殺害されてしまう。そのうち何人かは辛くも逃げ延びることに成功したのも束の間、続けて発生した土砂崩れに巻き込まれて、全滅してしまう。この一連の出来事が「死野の惨劇」と呼ばれるようになった。その後も、竜泉家の血を受け継ぐ人間は次々と不幸に見舞われて命を落としていった。

そして、伶奈の命も風前の灯火で残された時間もごく僅かである。どうしようもない現実に打ちのめされた加茂に突然届いた謎の声。マイスター・ホラと名乗る人物の声に従い、奇跡の砂時計を手に入れた。その砂時計が願い事を一つだけ叶えてくれるという噂があり、かつて雑誌の企画でまとめたことがあった。

未来を知っていると語るマイスター・ホラに最後の望みをかけることにした加茂は、竜泉家の呪いを断ち切り、妻を救うためにと過去へと旅立った。

 

未来人である加茂の正体や情報を過去の人間に与えることは非常に危険なことである。どこで歴史が書き換えられるか予想がつかないので注意を怠らないことが大切であった。そのはずが警戒心を保つ前にさっそく竜泉文香に見つかってしまう。幸いにも彼女がSFやミステリに理解があり、突然出現したマイスター・ホラと加茂の説明にも動じず、素直に受け入れてくれた。また彼女が「死野の惨劇」当時別荘で竜泉家の人々に何が起きたのかなどを日記という形で残しておいてくれたおかげで、後の世の人間が知ることができた。

 

聡明な彼女は加茂のことを無条件で容認してくれたが、もちろん一族の中には不審がる人もいる。まして殺人事件が起きた後に訪ねてきたのだから、なおさらのことである。そこで文香は機転を利かせて東京からやってきた名探偵として売り込み、事件解決の依頼をお願いしていたとみんなに紹介させた。彼女の説得で運よく竜泉家に潜り込むことに成功した加茂は、名探偵という重い看板を背負いながらも、この不可解な事件に挑むことになる。

 

感想/まとめ

面白かった。

 

個人的には主人公が合わなかったり、超展開について行けなかったりとマイナス面もありましたが、クローズド・サークルとタイムトラベルなどを上手く組み合わせた本格ミステリとして完成度が高いのは間違いない。

 

文香ちゃんが伶奈さんに加茂さんのことを運命な人だと説明していたと聞いてなんかニヤニヤしてしまう。

苦労した甲斐があったものですね~