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西澤保彦さんの「聯愁殺」を読んでみた 感想

今回紹介するのは西澤保彦さんの「聯愁殺」です。連続無差別殺人事件の唯一の生存者を囲んで推理合戦が展開される。彼女はなぜ襲われたのか。犯人は今どこにいるのか。さまざまな推理が繰り広げるが、最後の最後に衝撃の展開が待ち受けていた。

聯愁殺

一礼比梢絵(いちろいこずえ)は、自宅マンションに帰宅した直後に暴漢に襲われて負傷してしまう。現場には犯人の遺留品とおぼしき生徒手帳が残されており、統一性のない男女の名前や住所などが書き込まれていた。だが実際はそこに書きこまれていた人たちは、連続殺傷事件の被害者であったことから、この生徒手帳と彼女の証言に基づき作成された似顔絵から一人の男子高校生を全国に指名手配されることになった。

しかし、結局事件は進展することなく、四年以上が経過したある大晦日の夜。連続無差別殺人事件の唯一の生存者、梢絵を囲んで推理集団〈恋謎会〉の面々が集まった。

 

登場人物と〈恋謎会〉の面々

一礼比梢絵(いちろいこずえ):OL

双侶澄樹(なるともすみき):担当刑事

凡河平太(おつかわへいた):ミステリ作家&〈恋謎会〉のメンバー

矢集亜李沙(やつめありさ):エッセイスト、ミステリ作家&〈恋謎会〉のメンバー

丁部泰典(よぼろべやすのり):県警OB、私立探偵社経営&〈恋謎会〉のメンバー

泉館弓子(いずみだてゆみこ):犯罪心理学者&〈恋謎会〉のメンバー

修多羅厚(しゅたらあつし):ミステリ作家&〈恋謎会〉のメンバー

 

なぜ襲われなくてはいけなかったのか?犯人は今どこで何をしているのか?などの事件の謎を解明するためにさまざまな推理が繰り広げられる。どれだけ時間が経過しようとも被害者が受けた恐怖やトラウマは風化されることはない。ならば何もかも知った上で共に生きていくことだと決意を新たにこの場に同席した梢絵。果てして彼女が望む結末を迎えることはできるのだろうか。

 

感想/まとめ

面白かった。

一つの事件に対して様々な推理が繰り広げられる、いわゆる多重解決もの。推理の材料となる着眼点に目を見張り、それだけに留まらずにラストの衝撃が脳裏を離れなくて、余韻に浸ってます。さすがの一言。

 

また、氷川透さんの解説も面白かったので是非。