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深緑野分さんの「この本を盗む者は」を読んでみた 感想

今回紹介するのは深緑野分さんの「この本を盗む者は」です。

 この本を盗む者は

読長町の御倉嘉市と言えば、全国に名の知れた書物の蒐集家であり、評論家でもある。彼が生涯を賭けて蒐集した書物は、御倉館と呼ばれる巨大な書庫に所蔵されていた。嘉市の死後、娘のたまきに引き継がれても書物は増え続けていった。書物の街のシンボルとして愛されてきた御倉館だったが、盗難事件を皮切りにはたまきの手によって閉鎖されてしまった。激昂した彼女は愛する本を守ろうとするあまり、読長町と縁の深い狐神に頼み込んで奇妙な魔術をかけたという噂が流れたほどだ。

 

さてこの物語の主人公は、たまきの孫娘、御倉深冬である。父である御倉あゆむは現在の御倉館で管理人を任されているが、深冬は本が好きではない。幼い頃にたまきに本のことで叱られて以来拒絶するようになってしまったからだ。特に御倉館は苦手な場所であり、出来れば近づきたくない。ところがあゆむが事故で入院してしまい家のことを任された深冬。当然御倉館関連も含めてだ。ところでもう一人紹介しなければいけない人物がいる。あゆむの妹で深冬の叔母にあたるひるねという方だ。名は体を表すというように四六時中寝ているちょっとした変人で、御倉館に籠ったまま本読んでいるか、食べるか、寝てるかして、身の回りのことはほぼ他人任せときた。それが御倉館の管理と兼任して面倒を見ていたあゆむがご覧の有様である。あゆむの何かを訴えるような目に根負けした深冬は、渋りながらも父が退院するまでひるねの面倒を見ることになった。

 

こうしたいきさつで父の代役で御倉館を訪ねた深冬を待ち受けていたかのように泥棒が入る。その泥棒に反応してたまきが書物を守るためにかけた呪いが発動すると、読長町全体が物語の舞台に様変わりした。物語の世界に迷い込んでしまった深冬は、そこで出会った真白という女の子と協力して読長町を元の姿に戻すために、盗まれた本と犯人探しへ旅立つ。

 

第一話 魔術的現実主義の旗に追われるでは、雨男のベイゼルと晴れ男のケイゼル兄妹のお話し。

第二話 固ゆで玉子に閉じ込められるでは、密造や陰謀や黒幕といったハードボイルドの世界が舞台である。

第三話 幻想と蒸気の靄に包まれるでは、その世界のエネルギー源のイメンスニウム鉱石にまつわる物語。

第四話 寂しい街に取り残されるでは、読長町の住人が消失してしまい取り残された深冬は、父が残した手帳からある秘密に辿りつく。

第五話 真実を知る羽目になるでは、すべての真相が明らかになる。

 

感想/まとめ

面白かった。ガチガチのファンタジー物でしたね。

最終的に本好きという気持ちを思い出して一般開放した御倉館の管理を任された深冬の姿にこっちまで嬉しくなってしまう。本は人に読まれることを望んでいると勝手に思っています。まぁ、観賞用に保管したい気持ちもわからないでもない。

 

あんまり関係ないけど、マックスコーヒー美味しいですよね。甘党にはたまらない甘さ。