喜多嶋隆さんの「夏だけが知っている」を読んでみた 感想
今回紹介するのは喜多嶋隆さんの「夏だけが知っている」です。突然の腹違いの妹との同居。幼なさの残る彼女は泣き虫でどんくさい。しかし意外な一面も持ち合わせており、接するうちに次第に兄という枠を超えて心がざわめきだす。ピュアで切ない恋愛小説。
夏だけが知っている
父親と二人暮らしをしている高校生の航一のもとに、腹違いの妹・凛がやってきた。いきなり父親が一歳違いの妹の存在とこれからいっしょに暮らすことになると衝撃発言に表面上は戸惑いながらも、どんな娘が来るのか淡い期待を抱いていた。しかし、目の前に現れたのは御世辞にも想像とは程遠く、幼さが残る彼女。泣き虫でどんくさく、引っ込み思案で、凛という立派な名前に完全に負けていた。
だが、凛には意外な才能があった。父親は小さな釣り船屋を営業しており、航一もよく手伝いをしていた。凛も一緒に行くと乗り込んだその日の営業では、釣り客たちの成果は芳しくない。しかし、彼女が釣り上げた魚の量は桁が違った。偶然か、いやその後プロとの勝負で見せた彼女の能力が群を抜いていたことからも分かるように、本物であった。
釣り勝負、取材、CM等次々と大きな仕事が舞い込んでくる。それにとなって彼女の知名度がどんどん上昇、次第に日本中を巻き込むクラスまで成長してしまう。彼女の言葉や仕草一つ一つがどれだけ現代に貴重なものなのか。それはある種の才能とも言える素人らしさが抜けない、そうリアル天然記念物だ。
一番傍で見守っていた航一の心境にも変化が現れた。これは家族愛なのか、それとも。だが相手は血のつながった妹だ。その事実だけが想いにブレーキをかけていた。そんな矢先、思わぬ事件が起きて、、、
感想/まとめ
面白かった。
こういうのがいいんだよ。
こういうのでいいんだよ。
完全に僕好みの小説でした。
血液型はヒント、いや答えでしたね。