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浦賀和宏さんの「記憶の果て 下」を読んでみた 感想

今回紹介するのは浦賀和宏さんの「記憶の果て 下」です。脳専門の萩原や裕子の母親の元を訪ね、物語は中盤から佳境へ向かっていく。安藤直樹の物語のラストには衝撃的な結末が待っていた。

 記憶の果て 下

萩原の研究室を訪ねた直樹、飯島、金田トリオ。金田が専門学校に進学することが決まったが、入学するまでにレポートを作成しなくてはいけなくなったと嘘をついて萩原に取材を申し込むことに成功した。そして裕子の謎のを念頭に置いた、質疑応対タイムが始まった。金田を中心に直樹と飯島がちょっと口を挟む形で質問が続いた。ここではその内容を省略するが、研究所に入館した時よりも退官した時の方が、それなりに知識は備わったことは確かであった。

直樹は、相変わらず裕子がプログラムされたコンピュータで会話を続けていた。本格的恋に落ちたようで愛していると戸惑いもなく打ち込んでいた。

そして、次の情報元である裕子と直樹の生みの親である佐々木に会うことになった。そこで衝撃的なことを教えられた。裕子は、父親の子供を妊娠していた。直樹は近親相姦の結果生まれた子。裕子は、姉でも妹でもなく母親だった。

自宅に帰った直樹は、心身ともに疲れて衝動的に手を切ってしまった。

 

心配して?訪ねてきてくれた友人を殴ってしまい喧嘩別れして失った。ただ、浅倉幸恵のことは二人も知っていて何か事情があることを匂わしていた。その後にお節介焼きの飯島が浅倉幸恵を安藤家に連れてきた。そこで彼女の身に何があったのかを初めて知った。(詳細は続編で対となる彼女の物語「時の鳥籠」で)

 

そして、安藤直樹の物語はクライマックスを迎える。

コンピュータに閉じ込められている彼女は何だったのか。

直樹は後頭部の傷痕を見て自分なりの答えを出した。

裕子は、姉でも妹でも母親でもない、、、彼女は、、、

 

感想/まとめ

面白かった。僕の想像をはるかに凌駕する展開で二転三転当たり前。最後まで安藤君の性格は好きにはなれなかったのが、あれだけ振り回されたらショッキング続きで同情してしまう。毛嫌いしそうな近親相姦ネタは個人的に抵抗なく受け入れて読めていた。

名探偵を否定するスタイル。なるほどと頷いてしまった。ミステリ好きを自称していて全く疑問に思わなかったけど、そういう感想もあるのかと気付かされた。

記憶の果ての対となる物語、、、時の鳥籠も読んでみよっと。