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似鳥鶏さんの「育休刑事」を読んでみた 感想

今回紹介するのは似鳥鶏さんの「育休刑事」です。育児休暇を利用して育児に奮闘する新米パパさん。共働きのご夫婦で職場復帰した奥さんの代わりに家庭を支えていた。ある日のこと息子を連れてお出かけ中に事件に巻き込まれて大慌て。それなのに子どもは泣いたり笑ったりお構いなしだ。頑張れパパさん!

 育休刑事

▼人質は寝返りをする

育休を取得して、育児に挑戦中の秋月春風巡査部長。生後三か月の息子の蓮くんは、首が据わって抱っこ紐で外出できるようになっていた。しかし、お出かけは大量の荷物を伴って重装備になる。世の中のお母さんの大変さが身に染みて感じていた。

さて今日は姉である涼子とお出かけの日だ。甥っ子が可愛くて仕方がないのは分かるが、あやし方が独特で気味が悪い。蓮くんは、キャピキャピと喜んでいるのだが、、、

買い物の支払いはまかせてと有難い言葉はうれしいのだが、どうやらお金は現地調達らしい。ブランド物の腕時計を持って質屋へと向かうがそこで運悪く強盗と遭遇し、人質になってしまう。緊迫する空間の中でも蓮くんはお構いなしにウンチやミルクの時間だと泣いてしまう。さらに何故か頭を撃たれた死体が現れて、強盗事件は殺人事件に変わってしまう。犯人だと疑わしき、もう一人の人物は警察が現場を囲んでいる中でどのように逃走したのか?

 

▼瞬間移動のはずがない

妻である沙樹さんと姉と蓮くんを乗せて実家からの帰り道、渋滞に巻き込まれていた。後ろでは蓮くんがぐずり始めていた。後ろが気になりつつも事故を起こしてはいけないと運転に集中。すると運転手の春風はだいぶ前からずっと前方にいるミニワゴンが目に入った。カワウソの絵が描かれている営業車でナンバーもいつの間にか覚えてしまっていた。仕事帰りのドライバーさんも大変だなと思っていたが、これがのちに犯罪のアリバイ作りに協力してしまうことになる。

高速を降りた先で突然姉が指さした会社の駐車場に追い抜いたはずのカワウソが描かれた営業車が停まっていた。サービスエリアで確実にこちらが先に出発して追い抜いたはずなのに。ナンバーもみんなが覚えていて全く同じだ。その後も渋滞しており再度抜かれたとも思えない。怪奇現象だ、瞬間移動だと叫ぶ姉の言うのも理解できる。さらにその営業車には殺人未遂事件の容疑者が乗っていたと連絡が入る。一体どういうことなんだ?

 

▼お外に出たらご挨拶

県警の本部庁舎に不審物が届けられた。それは最近刑務所を出所した人物からの復讐を予告するのもであった。

一方春風は蓮くんを姉に預けて家族連れで賑わうショッピングモールで久しぶりに沙樹さんと二人っきりのデートを楽しんでいた。しかし怪しげな女性を見つけて、単独後をつけることになった。このことが原因でまたしても凶悪な事件に巻き込まれてしまう。

 

感想/まとめ

面白かった。育休なのに事件に巻き込まれてしまい、結局捜査に参加する感じで構成されている短編集。なかなかお目にかかれない設定といい感じに進むテンポとゆるさを備えており、刑事もの?として堅苦しい感じが少ないのでおススメしたい。

まさか沙樹さんの正体が、、、だったなんて。最終章に明かされて驚きましたよ。お姉さんも良いキャラしてますね。蓮くんにメロメロだが、その描写も独特な言い回しでついついニヤニヤしてしまう。蓮くんの肌はプニプ二していて気持ちよさそうですね。

 

続編希望です!