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山口芳宏さんの「学園島の殺人」を読んでみた 感想

今回紹介するのは山口芳宏さんの「学園島の殺人」です。黒いサンタクロースが運ぶのは生首だと?島に伝わる「再生の書」と来日した王女が持つ「浄化の鍵」。二つがキーが揃った時、次々と起き始めた不可解な謎。その謎に救世主としてやってきた森崎と学生探偵・真野原が果敢に挑む。

 学園島の殺人

大学生の森崎は、同居人で外出は学ランを着用する変わり種の友人・真野原と一学年下の後輩で友人でもある神木菜緒子とじゃれながらも普段通りの日常を送っていた。

ある日のこと、趣味で不思議な事件が起きると勝手に調査している真野原が今回興味を持ったのが赤両島で女子高生が行方不明なる事件だった。その島には黒いサンタクロースが出現するとの噂があり、プレゼントの中身はなんと生首らしい。真野原と森崎は、この学園の理事長をしている政治家の増本宏接触するために彼の元を訪ねることになった。

 

事務所を訪ねると見るからに柄の悪い連中に絡まれてしまう。なんとか追い払うことには成功したが、菜緒子が昔の知り合いらしいタカシと再会したことで、翌日起き手紙を残して消息を絶ってしまった。

 

後日増本から呼ばれた真野原と森崎は、学園に行ってくれないかと頼まれる。

学園がある赤両島は、学園の生徒とその関係者のみで成り立っている島であり学生やOB中心の運営がされていた。研究施設やオフィスビルが備えられており、ショッピングモールなどの商業施設もあり、大規模な学園都市だ。

 

さらに二つのお使いを頼まれて一つ目が王国から王女が来日するから仲良くなって、できれば結婚して欲しい。もう一つは、窮地に立っているかもしれない島を救う救世主になって欲しい。両方ともかなりの無茶ぶりだった。

島には学園の創設者が残した「再生の書」がある。15年前に盗まれた「再生の書」の続きがどういうルートを辿ったか不明だが、増本の手に渡った。真野原が興味を持った女子高生が行方不明になった事件と繋がっていることが予想されていた。

そして今回来日する王女に認められて「浄化の鍵」を手に入れることができれば「先導者」として島を救うことができると島には伝えられていた。

 

話に付いていくのがやっとな森崎は置いてけぼりな形で増本と真野原の話を聞いていたが、高校生のふりをして島に潜入するのが自分の役目だと指名され戸惑った。さっそく真野原のプランで「再生の書」の予言どおりに東の海に向かったのはいいが、森崎がここにきても納得しないようでウジウジ言って乗り気ではない様子だ。真野原はお構いなしにさっさと行けと突然背中を蹴り、森崎は海へダイブ。逃げた真野原めがけて頭の中で文句を言いながら必死の思いで島に向かって泳いだことで意識を失ったがとりあえず上陸することができた。

 

配属されたクラスはS組。試験的に作られたクラスで特殊な技能を持つ生徒を集めた場所だった。そのクラスに担任として真野原は潜り込んできた。彼のキャラはノリのいいクラスメイトにはウケていて疑われることなく収まることができた。ちなみに森崎は数学のスペシャリストという建前でクラスメイトに紹介された。

ユリシア王女と付き添いのリョウコとも同じクラスになれた。特別扱い不要ですとこだわりをみせ、一昔前の日本文化をこよなく愛する変わった二人組。お近づきになろうとした森崎はちょっとしたハプニングで、出鼻をくじかれる形になり一歩後退してしまった。仲良くなるのは茨の道になりそうな予感だ。

 

▼島で起きる事件や謎の真相

赤両島で女子高生が行方不明なる事件

「再生の書」と「浄化の鍵」と救世主

黒いサンタクロースの正体

15年前に起きたニセ研究者行方不明事件

学園に通う生徒の死と首の行方

島にいた菜緒子

王女への脅迫と「浄化の鍵」を狙うもの

ゲームのクエストのように用意されている数々の謎。序盤にRPGの説明があり、ゲームの主人公になったような感じで読んでいける楽しみも感じられる。

森崎も病院に侵入したり、女子寮に侵入したり、冷蔵倉庫に閉じ込められたりと数々の災難に遭いながらも、真野原の助手としての仕事をこなしていく。もともとの目的であった「先導者」としての役割も忘れてはならない。

王女との関係は、島を救うことができるのか?

 

感想/まとめ

面白かった。ジュブナイルライトノベルタイプに学園ミステリー。好きな人にはたまらなくハマってしまう。個性あふれるクラスメイトと真野原&森崎コンビがストーリーをかき乱して飽きさせない。

北斗の拳のネタが良く登場しますが、僕はほとんど知らないのでふ~んとスルーしていましたが、王女の好みがジャギというので読後ググってみたら凄いお方でした。

ミステリーよりも学園を冒険している部分にページを割かれていてここも好みが別れそう。

首の消失の謎はたまげたな~

 

 ルーブ・ゴールドバーグ・マシンの返しは、お見事。大人になってもロマンは忘れないでいたいものですね。表紙に釣られたのは毎度のこと。続きが読みたいが、もう続編は出ないのかな?