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小島正樹さんの「十三回忌」を読んでみた 感想

今回紹介するのは小島正樹さんの「十三回忌」です。不審死を遂げた妻の一周忌、三周忌、七回忌に忌まわしい殺人事件が起きてしまう。そして、一三周忌を迎えるも、、、海老原浩一シリーズ第二弾。

 十三回忌

多方面にわたり多大な影響力を持つ資産家の宇津木家。その当主恒蔵の妻が不審死を遂げた。警察はこれを自殺と処理して捜査を終えた。その後、妻の一周忌、三周忌、七回忌に愛人である杏子の娘が次々と殺されてしまう。一人目長女の夏澄は、木の先端に串刺しにされた状態で、二人目次女のゆかりは、木に括りつけられ首を切られた状態で、三人目三女の未帆は、唇だけ切り取られた状態で発見されたのだ。見立て、猟奇目的、性的目的、証拠隠滅等さまざまな動機を推測したが警察は未だに事件解決には至っていない。

そして、厳戒態勢のなか十三回忌を迎えるが杏子までが殺害されてしまう。失態だらけで恒蔵の怒りを買った警察が助けを求めたのは探偵の海老原浩一だった。最初は探偵なんて浮気調査でもしてろと見下した態度で扱っていた。恒蔵と売り言葉に買い言葉で文字通りこの事件に進退をかけることになり、そんなことをいってられなくなった。彼は呼ばれてすぐにゆかりの首の在りかを見つけており、能力を示すには十分だった。

彼が語った犯人と真相。それは、とんでもなく、ぶっ飛んでおり、バカバカしいと叫びたくなるものだった。

 

感想/まとめ

面白かった。レベルを上げて物理で殴ればいいと言う言葉が聞こえてきそうなくらい物理トリックで突飛している。プロローグや幕間で色々仕込みがあり、狙いがありそうな感じは伝わってきましたが、トリックの方に目が向いてスルーしていたのが残念。

プールで泳いで、ブランコで、水で洗浄。これがトリックのヒントとだけ残しておこう。後で読み返すことがあったら、ここを押さえとけば記憶が蘇ってくることでしょう。未読の方はクエスチョンマークだと思いますがね。

 

次女ゆかり捜査中に首を切られた現場で、海老原探偵の推理で奇妙な事件に説明がつくことに安堵して首、繋がるかも知れませんねの会話で不謹慎ながらふふっと笑ってしまった。

 

そして、一番おっと唸ったシーン。

現場にはバラが残されており、花言葉に意味を持たせていた。

青いバラには花言葉がない、、、作中ではそれが正解だが、僕たちの世界では青いバラを完成されている。

花言葉は「夢叶う」

未完成という空欄からポディシブな言葉。なんとも皮肉な感じである。だが、ある意味復讐を終えて、終焉に向かっているその人にピッタリな言葉である。時代を超えて別の意味で補完されたことにひとりでに興奮していた。

 

青いバラはこの小説で色々ググった。

lbookneet.hatenablog.com