東野圭吾さんの「使命と魂のリミット」を読んでみた 感想

今回紹介するのは東野圭吾さんの「使命と魂のリミット」です。医療ミスを公表せよと大学病院に脅迫状が届いた。ミスは一切ないと病医側は断言。しかし、一人の研修医は素直に受け入れることができないでいた。それは、父親の死に関係しており、、、

 使命と魂のリミット

帝都大学病院の研修医として勤務している氷室夕紀。彼女は、父親を大動脈瘤という心臓の病気で亡くしていた。切除手術がうまくいかなかったのである。その手術を担当したのが、名医と評判の西園教授であり、現在夕紀の上司である。そういった過去があり、父親と同じ病気で苦しみ人を救いたいと想いが医師を目指すきっかけとなった。しかし、誰にも相談できず公にできないもう一つの動機を持っていた。

意図的に手術をミスして死に至らしめたのではないかという疑念

疑うようになった理由、それは手術前に母親と西園教授の密会していたのを目撃していた。その当時は疑問に思わなかったが、父親の死後、母親と西園教授の関係、、、恋人になったことを考えると、その疑念を払拭することができないでいた。

本当のことを知るために、胸中では疑念を抱えながらも西園教授の下で医師になるため歩んでいた。

そんなある日、病院に脅迫状が届けられた。「医療ミスを公表して謝罪しろ。さもなくば病院を破壊する」と過激な内容で書かれていた。病院側は医療ミスはないと断言するもどこかで恨まれているかもしれないと警察も介入して捜査を開始する。この時点ではいたずら予想が大半を占めていた。しかし、病院内で発煙筒が見つかり騒ぎが拡大。患者にも脅迫状のことが知れ渡り、転院や退院する患者が現れるようになる。

夕紀の胸中にも黒い煙のように疑念が広がっていた。

捜査する刑事の一人で七尾と言う男は、犯人の狙いに近づきつつあった。

ＶＩＰ病室には、自動車会社の島原社長の姿があった。大動脈瘤の手術ために入院している。彼の会社では、自動車の不正や欠陥で犠牲者を出してしまった過去があった。その周囲に重点的に調べるとある一人の男が浮上する。欠陥自動車が起こした事故の大渋滞に巻き込まれて救急搬送中の恋人を亡くしていたのだ。病院への脅迫状はフェイクで狙いは島原にあると刑事達は彼のことを追うことになるが、なかなか姿を捉える事ができないでいた。

そして、厳重な警備の中で運命の島原社長の手術が始まった。

感想／まとめ

う～ん。面白かったけどちょっとそれはと言う点がひとつだけ。

人として医師として刑事として（夕紀の父親、西園教授や七尾刑事など）がどんな事情があっても己の信念や使命を全うする姿には感銘した。ただ、自分が執刀した手術で亡くしてしまった人の奥さんと恋人になるって、そこがずっと引っかかって感動がどっかにいってしまった。夕紀さんも雪溶け早くないですか、それでいいの？ストーリーとか登場人物は好みなのに、ホントに残念だ。

そういえば、僕の使命って何だろう？