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住野よるさんの「青くて痛くて脆い」を読んでみた 感想

今回紹介するのは住野よるさんの「青くて痛くて脆い」です。青くて痛くて脆い、そんな物語です。

 青くて痛くて脆い

大学一年生の田端楓は、あまり人に不用意に近づかないこと、誰かの意見に反論しないことなど自分のテーマを決めて生活していた。そんな時、講義中に空気の読めない発言でみんなの注目を浴びた秋好寿乃と出会う。痛くてやばい奴、関わってはいけない奴だと警戒心を高めて早数ヶ月、何故か一緒に行動するようになっていた。

 

そんな秋好がお目当てとするサークルが見つからない。楓は、それなら自分で作ればいいよと余計なひと言から始まった「モアイ」という秘密結社。お互いの信念を貫き、理想の現実を目指すために結成された。

 

楓の望んだ大学生活とはかけ離れてしまったが、彼女と行動するうちに理想や、真実を追い求める姿勢、青さや痛さを隣で感じて、自分にはないモノに魅入られていた。

自分のテーマも肯定的に受け入れてくれた秋好は楓にとって最高の友達になっていた。

 

 

それから数年後、楓は内定をもらい就職活動を終えた。

たった二人から始まったモアイ。ちいさいことからコツコツと理想に沿った活動を続けていたモアイはもう無く、就職活動を支援するサークルに様変わりしていた。友人に設立のメンバーだったことを明かし、一緒にモアイを壊そうと話を持ちかけました。

 

サークルに潜入して、モアイ崩壊につながる爆弾を苦労して見つけたのだった。

 

モアイのスキャンダルを入手した楓は後先考えずネット上にばら撒いた。すぐさま大学の方でも問題視するようになりモアイは処分されることになる。メンバー全員に向けた報告会が行われる日、こっそり見学に行っていた楓の前に彼女が現れた。

 

数年振りに対面する秋好寿乃。

二人はお互いにぶつかる。

理想と現実、信念と信条。

言葉は時に刃となり人を傷つける。

別れた二人に残ったのは何か。

 

これは、青くて(楓)(秋好)痛くて(秋好)(楓)脆いそんな物語である。

 

 感想/まとめ

う~ん。好みとしては可もなく不可もなくですかね。

 

序盤のあの文章からして秋好さん亡くなったのかと思いましたよ。そういう意味でのもういないだったのですね。

楓くんも秋好さんも自分の気持ちを伝えることを怠ったのかな。ふたりの進むスピードが生んだ亀裂。背後を気にせず純粋にまっすぐ進む彼女と遅れを気にして留まってしまう彼。巡り合ったのが不思議なくらい正反対な二人がこうなってしまったのにうなずける部分もあるだろう。

変わったり変わらなかったりすることに正解はないのだから。

しかし、傷つき傷つけられたからこそ、気付くことができた。

新しく生まれ変わった居場所で後輩たちに伝えた楓くんのメッセージに重みを感じた。この場所こそ二人が純粋な気持ちで作ったモアイの完成像だったのかもしれませんね。随分遠回りしてしまったが、離れた二人がもう一度クロスすることを願っています。