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円居挽さんの「京都なぞとき四季報 ~町を歩いて不思議なバーへ~」を読んでみた 感想

今回紹介するのは円居挽さんの「京都なぞとき四季報 ~町を歩いて不思議なバーへ~」です。京大校内に出現する「三号館」は、謎持つ者にしかたどり着けない不思議なバー。浪人を経て、京大生となった遠近が遭遇した謎を解き明かすお手伝いをする美人マスター。京都を舞台とした青春ミステリー。

 京都なぞとき四季報 ~町を歩いて不思議なバーへ~

▼クローバー・リーフをもう一杯

浪人を経て、京大生となった遠近倫人は、中学からの腐れ縁で現役合格して一年先輩になった東横進が入っている京都市内を歩くことを目的としたサークルに入会した。彼がいたからという理由より同じく新入生の青河幸に恋をしてしまい、どうにかして近づきたいがためにここにいるのである。しかし、彼女との距離を縮める機会を窺っていたが、恋愛に奥手の遠近には詰め方が解らない。それでも長い付き合いである東横にはさっそく惚れているのを見破られ、二人でサークルの買い出しの用事に行けるように取り持ってくれた。

 

お使いの最中に同じく一回生の灰原花蓮を見つけ、少し会話をした後、四葉のタクシーに乗り込む姿を目撃したのを最後にサークルから姿を消してしまった。この人間消失の謎に挑み、彼女にいいところを見せようと頑張るが気持ちだけが空回りしていた。

 

京大校内のどこかで営業しているらしい「三号館」は、謎を持つ人しかたどり着けない不思議なバー。そこのマスターに相談するとなんでも解決するという噂がごく狭い範囲で流れていた。その夜、あればいいな~という漠然とした期待の中で校内をうろついていた遠近の前に出現した三号館。恐る恐る入店すると美人マスターの蒼馬美希が出迎えてくれた。彼女を前にしてサークルに入ってから今日までの出来事と青河さんが好きなことまでべらべらと喋ってしまった遠近は気恥ずかしさの代償を払ったおかげで閃めくものがあった。

 

▼ジュリエットには早すぎる

会長・千宮寺麗子からの提案で、舞妓さんの催しものを観に来ていた遠近、東横、青河。そこでいつの間にか席が入れ替わってしまう事件?が起きた。遠近の横に想い人である青河さんが出現して嬉しい半面、現象の理由が気になってしかたがない。小粒の謎を握りしめて向かうは幻の三号館。神出鬼没の不思議なバーは、彼の前に姿を現してくれるのか?

 

▼ブルー・ラグーンに溺れそう

サークル活動の一環で京都水族館の来ていた遠近。もちろん彼の行動はここでもぶれない。青河さんにさりげなく近づき、絶好のポジションを確保して行動を共にすることに成功した。ここで水族館に詳しい藤ミーナという女性と知り合いになり、彼女の案内で水族館デート?を楽しんだ。さて目玉のイルカショーを見学していると、突然藤さんが立ち上がり何も言わず出口から飛び出して去ってしまう。慌てで追いかけるが見失ってしまい、メンバー総動員で探すも水族館内で彼女を発見することはできなかった。

 

▼ペイルライダーに魅入られて

青河さんが怪我をしてしまい、いつも以上に謎の解明に力が入る遠近。以前三号館の常連だったという先輩と一緒に蒼馬さんを訪ねるが、明かされる真実。それは今まで遠近が体験したこれまでの謎とは違い、悪意に満ちた全く性質の違う謎であった。

 

▼名無しのガフにうってつけの夜

三号館が営業するプレハブ棟が火事になり、放火犯として遠近が疑われる事態になる。身の潔白を証明するために動き出した遠近が自身の力で辿りついた真相。そしてついに、蒼馬さんの正体が明らかになる。

 

感想/まとめ

面白かった。けど正直主人公の遠近くんが魅力的だとは映らなかった。

 

灰原さんの意味深な発言から始まり、どの章でもいい所で出現するお助けキャラみたいな感じでファンタジー路線かと思いきや、合理的な謎解きのヒントをくれる美人マスターの蒼馬さん。彼女の存在自体ファンタジー路線そのもので、何がホントなのか戸惑ってしまう。一応説明が描写はあるが、あまりしっくりこないのが本音であった。

 

ヒロインの青河さんも恋より謎好きタイプの娘である。僕も花より団子タイプなので同タイプ?なのでしょうか。

 

今作も京都愛が十二分に詰まった小説でしたね!