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辻堂ゆめさんの「いなくなった私へ」を読んでみた 感想

今回紹介するのは辻堂ゆめさんの「いなくなった私へ」です。誰からも認識されない自分。恐怖から始まり、出会い、境遇、過去、謎を経て心温まるラストへ向かうストーリー。

 いなくなった私へ

人気シンガーソングライターである上条梨乃は、目を覚ますとゴミ捨て場にいた。なぜこの場所にいるのか思い出せない。さらに変装もせず素顔をさらしているのに誰ひとり上条梨乃だと気づいてくれない。私が本人だと声を上げても似ている女性だと思われているようだ。さらに、街中で梨乃は自殺したとニュースが流れていた。

そんな中、大学生の佐伯優斗だけが彼女の存在に気がついた。もう一人、梨乃だと認識できる男の子の立川樹と行動することになった。

 

ここにいるのに存在しないことになっている、認識されない。

私は何故、自殺したの、記憶がないの。

自殺ではなく殺された?犯人は誰なの、動機は何。

梨乃の死に関して色々と案が出されミステリーとしての面白さも感じることができる。

上条梨乃、佐伯優斗、立川樹に共通点があるのか。

 

なぜ、なぜ、なぜの嵐だが辿りついたラストに感動すること間違いない。

 

感想/まとめ

設定が魅力的で先が気になり止まらなくなるタイプの本でしたね。

輪廻転生、生まれ変わり、新しく生まれ変わった自分。

ラストシーンにもなったステージ上での歌声は大切な人へのメッセージとして伝わったことでしょう。

 

なぜ優斗だけ認識できるのか、その秘密が明かされた瞬間痺れましたね。

 

最近読んだ『生ける屍の死』が頭に浮かびました。

lbookneet.hatenablog.com

ハッピーエンドとして物語は終えましたが、現実問題これからどのようにして生活していくのか気になる所。

梨乃と優斗は自然にくっつくと思われるが、樹君は学校に通えるのかな。あれ、これ妄想が膨らみます。

 

ツッコミどころは多数存在するが、青春、感動が手軽に味わいたい方におススメできる本です。デビュー作でこれほどの出来栄え。また一人お気に入りの作家さんが増えました。