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榊林銘さんの「あと一五秒で死ぬ」を読んでみた 感想

今回紹介するのは榊林銘さんの「あと一五秒で死ぬ」です。15秒後に死ぬというトリッキーな特殊設定の中で起きる四つの事件の真相とは。

あと一五秒で死ぬ

▼十五秒

薬剤師をしている私は、職場の診療所で何者かに背後から撃たれて死んでしまった。そこへ猫の姿をした死神がお迎えに現れるが、相手側の手違いであと15秒生きていることが判明した。今は時間が止まっている状態で背後にいる犯人の顔を確かめることができない。死神から与えられた余命15秒を最も有効に活用する方法を考え、私は自分を撃った犯人を告発し、かつ反撃できるのか。被害者と犯人の一風変わった攻防戦の決着はいかに。

 

▼このあと衝撃の結末が

犯人当てドラマの最終回を見ていた姉弟。ドラマの放送時間は残り5分ほど。クライマックスは過ぎて、残すはエピローグだけ。帰宅した父に呼ばれた弟は文句を言いながらもテレビの前を15秒だけ離れた。そして用件を済まして戻るとヒロインが何の前触れもなく死んでしまうシーンが飛び込んできた。もう展開はわかりきっているとテレビの前を離れていた15秒の間に、いったい何が起きたのか?

 

不眠症

母親の葉と二人暮らしをしている茉莉。このところ母親が運転する車の助手席に乗っている夢を見るようになった茉莉は何か不安な気持ちが芽生え始める。やがて眠ることに恐怖を覚え、不眠症一歩手前になる生活を続けていくうちに体が悲鳴を上げるようになる。

15秒間の夢に隠された母娘をめぐる真実とは。

 

▼首が取れても死なない僕らの首無殺人事件

赤兎島の島民は、首が取れやすい。首に強い衝撃を受けると首脱(首が外れること)するため、赤兎島では球技が禁止されたり、喧嘩しても相手の顔は殴らないなど独特なルールが存在した。また、首が取れてもすぐに死ぬわけではない。先人達が長い年月をかけてこの体質を調べつくした結果、首と胴体が15秒以上離れると死ぬということが判明した。

さて、そんな赤兎島で首無の焼死体が発見された。焼け跡の制服から地元の高校生の三人まで絞り込むことができたが、三人とも行方不明で安否確認ができない。

首の着脱が可能な赤兎島で起きた首無殺人事件の真相とは。

 

感想/まとめ

15秒にギュッと凝縮されたアイデアが素晴らしかったし、面白かった。

 

▼首が取れても死なない僕らの首無殺人事件は、特に気に入りました。しばらくすると首の交換にも慣れてきた、との描写で変な笑いが起こってしまった。二首一体、一首二体など単語が強烈すぎて、もうニコニコし過ぎで疲れました。正直首交換のイメージがざっくりとしか想像できませんでしたが、首の着脱が可能な赤兎島で起きた首無殺人事件としても、上手くまとまっており良かったです。