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有栖川有栖さんの「英国庭園の謎」を読んでみた 感想

今回紹介するのは有栖川有栖さんの「英国庭園の謎」です。お馴染みの火村&アリスが活躍する短編集。表題作『英国庭園の謎』を含む全六篇から構成される国名シリーズ第四弾!

 英国庭園の謎

▼雨天決行

被害者は売り出し中のエッセイストの白石七恵。警邏中の警察官が倒れている彼女を発見して声をかけると「あなたを赦す」言い残して絶命した。額面通りに捉えると犯人を庇っているようにも見える。そうすると身近な人物が犯人なのか?ちなみに、犯行現場は雨上がりの公園で東屋付近に彼女のものらしき足跡が遺されていた。また、所持品は犯人に持ち去られたようで何もなかった。

毎度のごとくフィールドワークと銘打って警察の捜査に参加している火村とアリスは、被害者と親しい人物に話を聞きに行く。

 

シャーロック・ホームズ並みの観察眼を披露する火村さん、流石っす!

 

▼竜胆紅一の疑惑

幅広い年齢層の女性ファンに支持されている小説家の竜胆紅一。現役活動中の彼だったが、小説が書けなくなるというひどいスランプに陥っていて、新作が何年も出ていない状況だった。また、未発表の長編を出版社に預けているが、絶対に本にはするなと厳命が出ており、編集者も動けないでいた。

アリスの担当編集者の片桐光雄を通して、火村に相談ごとがあると竜胆から連絡が入る。身の回りで頻発する不審な事件と先日起きたボヤ騒ぎ。家族の誰かが自分に危害を加えようとしているから調べてくれと訴えていた。ノイローゼが悪化して被害妄想だと簡単に片づけることなく、論理的説明を求めている彼を救いだすことが出来るのか?

 

どの職業にも言えることだが、一線を越えてしまう熱狂的なファンには困ったもんだ!

 

▼三つの日付

三年前に起きたある事件の捜査でアリスに証言してほしいことがあると顔なじみの森下刑事から連絡が入り、喫茶店『ナスカ』で待ち合わせすることになった。なぜか当たり前のように火村も同席していたが、スルーしてさっそく本題に入る。

容疑者の男がアリバイ証言のために警察に提出した写真には、喫茶店『ナスカ』の店内でマスターと同業者の赤星楽と一緒にアリスが写っていたのだ。右下には事件の起きた三年前の日付〈92.3.22〉が印字されていた。さらに、アリスと赤星が書いたサイン色紙にもしっかりと〈92.3.22〉と日付が記されていたことも判明し、アリバイは完璧かと思われた。

しかしアリスが当時の状況を火村に説明しているとあることが見えてきて、アリバイは崩れるのであった。

 

赤星さん、、、

 

▼完璧な遺書

自分のことを拒絶した女を殺してしまった。こんなことで一度しかない人生を棒に振るなんていやだと躍起になり、自殺に見せかける偽装工作を始めた。動機は用意することはできる。問題は遺書だったが、過去にやり取りした手紙から文体を抜粋して遺書に見せかける方法を思いついた。

自画自賛、完璧な遺書が出来上がったと安心しきっていたが、事件が明るみになり、警察に同行してきた火村にあっさり見破られてしまう。

 

犯人の独り相撲でしたね。

 

▼ジャバウォッキー

アリスと火村に、山沖という男から電話が掛かってきた。かつて傷害事件を起こした男で、精神鑑定で無罪判決を下されていた。山沖はこれからでかいことをやると犯罪予告ともとれる発言を言い残して電話を切った。

様子がおかしいことを察した火村は、イタズラだと考えずに本気で迎え撃つつもりで、彼が発言した支離滅裂な内容にヒントが隠されていると睨み、アリスと共に彼を止めるために動き出した。

 

イムリミットのおかげで、緊迫した戦いと読み応え抜群!

 

▼英国庭園の謎

高級スーパー『エム・グロリア』創業者・緑川隼人が殺された。招待客相手に彼が発案した宝探しのゲームの最中に事件は起きた様子だ。ご自慢の英国式庭園のどこかにお宝は眠っているはずだが、暗号が難しくて誰ひとり辿りついていなかった。事件解決するために火村とアリスは暗号解読に挑む!

 

犯人クズすぎるでしょう。火村の最後の言葉に少し救われたかな?

 

感想/まとめ

面白かった。

シリーズ追っていると感じる安心や安定に定評のある短編集。

短編集だといつもこんな感じの感想でごめんなさい!

赤星さん、、、忘れないよ!