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近藤史恵さんの「インフルエンス」を読んでみた 感想

今回紹介するのは近藤史恵さんの「インフルエンス」です。

インフルエンス

同じ団地に住む戸塚友梨(とつかゆり)と日野里子(ひのさとこ)はお互い物心ついたときから一番仲のいい友達同士であった。ところが祖父と同じ布団で寝ていると里子が何気なく発言したことで二人の間に大きな影を落とした。それ以来、友梨の両親は里子と遊ぶとあまりいい顔をしなくなり、遊ぶ頻度も減り、次第に距離ができつつあった。

 

小学五年生になり、性教育の授業で里子の発言の意味を知ることになる。久しぶりに二人っきりになった里子から「もし、誰かに言ったら、殺すから」と脅され、里子の身に起きていたことを本当の意味で理解した。何もアクションを起こさなかった両親を恨み、また無知とはいえ親友の里子を助けることなく見殺しにしてしまった自分の罪の重さを噛みしめるのであった。

 

中学生になると友梨は坂崎真帆(さかざきまほ)と一緒にいることが多くなった。彼女は同じ団地に引っ越してきた子で、醸し出すオーラが違っていた。一方里子は、ガラの悪い不良連中とつるむようになり、会話する機会さえ失ってしまった。

 

そんなある日、暴漢に襲われそうになった真帆を助けようとして、友梨は相手の男を包丁で刺して殺してしまう。怯えながら夜を過ごし迎えた翌朝、警察に連行されたのは何故か里子であった。それから一年後、少年院から出てきた里子は友梨に「うちのジジイを殺して」と頼みます。友梨のことを内緒にしておいたと脅迫めいた言葉で逃げ道を塞ぐが、何もしなかったことで負い目を感じていた友梨は今度こそは里子を救うために自らの意思で殺害計画に加わりました。

 

そして、計画実行日。

里子の祖父を事故に見せかけて殺害するために彼女の家に向かって行くと、窓から落下して倒れている彼の姿を発見します。計画を知っているのは里子の他に真帆しかいない。犯行を終え、息を切らして現場から立ち去ろうとする真帆を問い詰めると「絶対、わたしの方がうまくやれる」と乾いた声で笑うのであった。

 

こうして複雑に絡み合った友情は高校、大学、そして社会人と歪な形を保ち、ほつれないまま彼女たちを縛っていた。一度でも過ちを犯し、レールから外れてしまうと、もう戻れないのか。どこか壊れ、抜け殻のように暮らす友梨の元へ真帆から久しぶりに連絡が入る。

 

その再会は何をもたらすのか?

 

感想/まとめ

う~ん。読みやすい文章で一気読みだが、あんまり読後感は良くないですね。

秘密を握り、握られたまま、女の友情という便利な言葉に置き換えて大人になった彼女たち。

切っても切れない縁はどこにいくのやら。

 

 

結局作家さんはそれほど重要な登場人物ではなかったのかな。そこが一番拍子抜けでした。