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伊与原新さんの「蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理」を読んでみた 感想

今回紹介するのは伊与原新さんの「蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理」です。天気予報が大嫌いな気象予報士・菜村蝶子と幼なじみの探偵・右田夏生の元に舞い込んでくるささやかな奇妙な依頼を解き明かす鍵は「天気予報」。新境地のお天気ミステリーここに誕生!

 蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理

第一章 ミモザの霞んだ日

右田探偵事務所に人探しの依頼で訪ねてきた大学生の島本由衣。依頼はとても大切にしているキーホルダーを拾ってくれた男性にお礼がしたいとの内容である。しかし、よくよく事情を聞いて見ると相手の特徴から勤めている会社をおおよそ特定しており、後は問い合わせて理由を説明すればわざわざ探偵事務所に依頼するほどでもないように思える。さらに誰にも知られないように調査して欲しいとのことで何やら訳ありの様子であった。

一方、テレビのお天気お姉さんに抜擢された気象予報士・菜村蝶子はその独特なキャラで人気を博していた。ある日、彼女の勤めるウェザーコムの天気情報サイトに降水が観測されていないのに、雨が降ったという内容が投稿された。

 

第二章 五十二年目の遠雷

右田探偵事務所に52年前に小さな神社に本当に雷が落ちたかどうか調査して欲しいと訪ねてきた高齢の井出。当時は、雷雨の悪天候で問題の神社で火災が発生した。焼け跡には放火のような形跡もなかったので、出火原因は雷だろうとの結論で落ち着いたまでは良かったが、少年が床に火が放たれるのを目撃した証言していた。

 

第三章 台風二過

右田探偵事務所にある荷物を指定した場所に運ぶようにと訪ねてきたヤマモトと名乗る強面の男。見るからに怪しい依頼内容だったが、高額な報酬料に目がくらんで引き受けたのが運の尽き。本物のヤマモトに追われる羽目になり、泣くなく蝶子に助けを求める夏生であった。

 

第四章 エオルスの堅琴

右田探偵事務所に総額1700万するバイオリンが誘拐されて困っていると訪ねてきた榊原母娘。学生生活の集大成となるコンクールで成功を収めるためにその日も大学の練習室に籠って練習をしていた榊原音々。僅か数十分席を外した間に盗まれてしまったバイオリンの行方を追うために音大に向かうと、事件当夜不思議な現象が起きていたことが判明する。

 

第五章 標本木の恋人

右田探偵事務所に花見の場所取りの依頼で訪ねてきた主婦の寺西春恵。花見の為に前々日から席を押さえておく徹底ぶりと、もし悪天候などを理由に花見が中止になった場合は、翌週もまた同様にお願いしたいとの奇妙な依頼内容。

一方、蝶子の方も天気予報に投げやりの態度を取ってしまい現場放棄にまでに発展してしまう。

 

感想/まとめ

面白かった。

夏生と蝶子の距離感も最高だったし、「天気」を題材にしたミステリーも読みごたえがあって新鮮な気分を味わえることができた。もちろん専門用語の描写もあるし、完璧に理解できたとは言わない。それでもガチ過ぎず、ゆるい文章とのバランスが保たれている点もグット!

 

外に出て空を見上げたい気分になりましたよ。

ちょっと花粉が辛いですがね、、、