~読んできた本の足跡~

~のんびりまったり日々読書~アニメや雑談も~

歌野昌午さんの「長い家の殺人」を読んでみた 感想

今回紹介するのは歌野昌午さんの「長い家の殺人」です。死体と荷物の消失の謎。大胆なアイデアで読者を驚愕させた記念すべきデビュー作!

 長い家の殺人

ロッジ「ゲミニー・ハウス」に学生バンド『メイプル・リーフ』のメンバー(戸越信夫、駒村俊二、武喜朋、山脇丈広、市ノ瀬徹、三谷真梨子)は、合宿のために集合した。三年前に結成されたアマチュアロック・バンド。心の底から音楽が好きで、音楽のためにすべてを捧げてきた三年間。卒業後は離れ離れになるメンバーの集大成にするラストライブに向けて練習にも気合いが入るもんだ。

 

さて、その日の活動を終え、各々自由な時間を過ごしていた。いつものメンツで麻雀をするために眠さを訴えて先に部屋に戻った戸越を呼びに行くと部屋に彼の姿はなく、荷物までなくなっていた。オーナーの権上氏が最近泥棒に部屋を荒されたと嘆いていたし、物騒な世の中だ。念のために手分けして捜索することになった。しかし、ロッジ内に彼の姿はなかった。話し合いの結果、夜が明けるのを待って、朝になっても戸越が戻っていないようだったら外を捜し、それでも見つからない場合は警察に通報することでまとまった。その夜も、窓の外に何者かの姿を真梨子が目撃する騒ぎがあり慌ただしかったが、閉じまりをしてなるべく固まって眠りについた。

 

翌朝になり、ロッジの周辺を捜すが収穫はなかった。そこで捜索範囲を広げて駅周辺と温泉街に足を運ぶことにした。唯一の手がかりとなる戸越のバックを発見することが、聞き込みをしても彼の情報は依然ゼロ。不可解な行方不明に説明がつかないままロッジに戻り、部屋を再度確認して警察に通報することにした。すると、忽然と現れた戸越の死体。メンバーはもはや訳が分からないまま警察に通報するのであった。

 

警察は重要参考人としてオーナーの権上氏を取り調べるが、逮捕に至ることはなかった。結局事件は未解決のまま時は流れて、メンバーを一人欠いた『メイプル・リーフ』はラストライブに向けて動き始めていた。だが、新宿ライブハウス「パーム・ガーデン」で演奏中に控え部屋で真梨子が死んでいるのが発見される。

 

紐を使っての絞殺、死体と荷物の消失までが戸越の事件と一致しており、ロッジ「ゲミニー・ハウス」の事件が新宿ライブハウス「パーム・ガーデン」で再現された。犯人は、同一人物でメンバーの誰かだ!だが凡人には到底理解することができない奇しき事件を紐解いてくれる探偵がいない。そんな窮地に救世主として現れたのが『メイプル・リーフ』元メンバー・信濃譲二だった。

 

メンバーから話を聞き、真相を突き止めた彼が指名した犯人の名は誰だ?

 

感想/まとめ

面白かった。

プロローグのMの存在も上手い。メンバーで唯一の女性、尚且つ真梨子という名前を登場させることで、作者の術中にまんまと嵌った僕であった。死体消失トリックも個人的には好き。このトリックで金田一少年の事件簿の亡霊学校殺人事件を思い出しましたよ。イメージしやすくて助かった。

 

ただ、登場人物総じて受け付けない人ばかりでした。特に探偵の譲二さん。久しぶりにイライラしたキャラでした。薬を肯定する発言に、自分勝手な言動。まぁ、古い作品って片づけてしまえばそれでおしまいなんですんけどね。

続編あるらしいですけど、どうしようかな~