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知念実希人さんの「ムゲンのi」を読んでみた 感想

今回紹介するのは知念実希人さんの「ムゲンのi 上」です。ファンタジー×ミステリー×医療を融合し、心温まるストーリーに変貌。感動間違いなしの傑作です!

 ムゲンのi

前触れもなく眠ったまま目を覚まさなくなる奇病・特発性嗜眠症候群。通称『イレス』。

 

同じ日に発症したイレス患者四人のうち三人を担当することになった神経内科医の識名愛衣(しきなあい)は全力を尽くして治療にあたっていたが、世界的にも報告が少なく、まだ有効な治療法も確立されていない謎多い疾患のため、主治医としてできることは限られていた。

 

心身の疲れを癒すために実家に帰省した愛衣は、沖縄でユタをしていた祖母から思いも寄らない話を聞くことになる。愛衣のことならなんでもお見通しの祖母の話では、イレス患者はマブイ(魂)を誰かに吸い込まれてしまい昏睡状態が続いているらしく、マブイ(魂)を持ち主に返す儀式のようなマブイグミを行えば、イレス患者は目を覚ますとアドバイスを送った。

 

今回のようにマブイ(魂)を吸い込まれてしまったケースではマブイグミを行える人は限られてしまう。ユタである祖母の血を引いている愛衣にはその資格があるらしく、ユタの大先輩である祖母から御墨付きまで貰った。

 

迷信ごとに関しては医師としてやはり否定的な気持ちの方が強い愛衣でしたが、物は試しと祖母から教わった呪文「マブヤー、マブヤー、ウーティキミソーリ」と唱えてみると意識を失い、別世界へと飛ばされてしまう。

 

そこでうさぎの耳を持つねこの『クルル』(自分の分身)と出会い、この世界『夢幻の世界』について教わります。ここはマブイを抜かれたイレス患者の夢の世界であること。ユタの力を持つ人間が呪文を唱えるとイレス患者の『夢幻の世界』に入ることができる。この世界でイレス患者の『クルル』を見つけ出し、マブイグミをすることによって現実世界で眠り続けている患者が目を覚ますことに繋がっている。

 

現実ではありえない幻想的な世界が広がっており、ここでは現実の常識が通用しない。トラウマや受け入れることができない過去に縛られたイレス患者の『夢幻の世界』は予測不可能の連続で常に危険が付きまとう。それでもを救うという医師としての信念は一貫してぶれることはない。昏睡状態である患者の夢の中に入り込み、マブイグミを目指すのであった。

 

一方、現実世界では通り魔による連続殺人事件が起きていた。被害者は老若男女さまざなで、遺体は原型をとどめていないほど猟奇的な事件である。物語が進むにつれて、これは二三年前に世間を震撼させた恐ろしい通り魔事件の犯人少年Xとの関連性が浮上し、またイレス患者たちは昏睡する以前に接触していたことが判明する。愛衣自身も通り魔事件の被害者としてトラウマを抱えており、忌まわしい過去を払拭できないでいた。

 

それでもマブイグミによって、相手の胸の内と触れ合うことで愛衣自身の心の傷にも変化が現れてくる。

 

そして、特別病室に入院している最後のイレス患者が全ての謎を解くカギになるのではと予測して走り出すのであった。

 

感想/まとめ

面白かった。

まぁファンタジー寄りすぎていて僕の好みとはちょっと外れてしまいましたが。

様々な愛が詰まった心温まるストーリーに思わずウルッときてしまった。