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宮入裕昂さんの「スカートのなかのひみつ。」を読んでみた 感想

今回紹介するのは宮入裕昂さんの「スカートのなかのひみつ。」です。女装がバレたあの日から僕の世界は一変した。あの子のために無茶をする友人とお送りする疾走感あふれる怒涛の青春群像劇。

 スカートのなかのひみつ。

天野翔と広瀬怜の二人の視点から物語は進められます。イタズラ風によってスカートのなかの秘密が明らかになったとき、彼らの幕が開ける。

 

▼天野翔編

女装が趣味の天野翔は、ゴールデンウィークに町へ繰り出していた。しかし油断したのか、ちょっとしたハプニングで同じクラスの八坂幸喜真に女装がバレてしまったのだ。その名の通り好奇心に満ちた男で天野の女装姿に興味津々で色々と食いついてきた。だがバカにしたり、けなすことなく、女にしか見えなかったと最高の褒め言葉で讃えてくれた。さらに人気者になれるから学校に女装して来いよと持ちかけてきた。天野は嫌だよ!と断固拒否したのだが、俺も女装してくるから二人でやろうと強引に話を決めてしまった。

週明けの教室には本当に女装してきた八坂がいた。天野が女装してこないと分かっててわざと挑発する態度を見せている。クラスメイトにはウケていたが、女装を侮辱していると我慢ができなくなった天野はこれが本物だと女装して八坂と対峙した。八坂の狙いは的中して興味津々のクラスメイトに質問攻めにあうが、、、いい気分だった。

ある日のこと、後輩の美少年と遭遇した天野と矢坂は女装しないかと提案をした。大人しい性格で会話のキャッチボールは一方通行だったが、彼自信が放つ意欲のようなものを見出した天野。彼が頬を染めながらやってみたいと頷く仕草に成功を確信したのだった。思った通りに女装は完璧な仕上がりだった。女装雑誌のモデルと瓜二つだったために親しみをこめてメアリーと呼ぶことにした。こうして三人は一緒に行動することになる。変質者を捕まえたり、女装アイドルを目指したり、学校に目を付けられたりと慌ただしくも青春を送っていた。

さて物語の重要なあの子のお話しをしよう。実は矢坂は留年しており年齢的には天野より上だ。だが、新入生に惚れてしまい留年すれば同じクラスになれるんじゃないかと普通に考えれば常軌を逸して理由に天野は絶句した。これまでの付き合いで彼らしいとも評価できるが、一歩間違えればストーカーだ。

そして、あの子のためにサンタになりたいと意味深に語る矢坂。詳しく話すと約束したその時が着々と近づいていた。

 

▼広瀬怜編

偶然スカートのなかを覗いたことで上級生の丸井宴花と新井田牧野と知り合いになった広瀬怜。休日に誘われて付いていった病院で「愛」と書かれた大きな旗を引き抜いた宴花。少しの葛藤の後に何かが吹っ切れたような笑顔で決行するよと牧野の方を振り向いた。二人だけの疎通に状況が掴めず何をするのですかと尋ねたところドロボウだよと返ってきた。さらに訳が分からなくなり二人の顔を行ったり来たりしてさらなる説明を求めます。私利私欲のためではなく、迷いや葛藤を打ち消すためにここに来た。ここには愛が詰まっているからと牧野は語る。

二人が盗もうとしていたのは、時価八千万円のタイヤを盗む、、、タイヤ?

それは丸井宴花であるために、らしさをとことん追求した計画だった。

 

 

感想/まとめ

面白かった。疾走感あふれる作品でしたね。

僕にとって女装は未知なる世界。新たな扉が開かれ、、、なかったですが、女装の世界がオープンになれることを祈っています。

自分らしさって何だろうと考えさせられた作品でもありましたね。

 

キャラクターが生き生きしていて魅力のあると言いたいのですが申し訳ないです、個人的には矢坂くん無理でした。生き方、生きざまを見せてもらって絶望のどん底にいるあの子のためにそこまでやるのかと感銘を受けてかっこいいじゃねーかと思ったことは本音ですけどね。合わなかったです。これに尽きてしまう。

 

構成と伏線、最後に明かされた秘密。ライトノベルには珍しい?発見でした。