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北川恵海さんの「星の降る家のローレン」を読んでみた 感想

今回紹介するのは北川恵海さんの「星の降る家のローレン」です。母に捨てられた僕を救ってくれた謎多き画家ローレン。月日が流れ大学生になった僕の元へ消息不明になっていたローレンから手紙が届いたことで物語が動き出す。愛や家族の繋がりを求め、ローレンと絵に導かれた人々の物語。

 星の降る家のローレン

母親が家を出ていき一時期施設で育った岡本宏助。一人ぼっちの幼少期を救ってくれた謎起き画家ローレン。彼がいたおかげで、成長できたといっても過言ではない。親子のように年の離れた二人だったが、分け隔てなく接して、親友として扱ってくれたことが嬉しくて懐いていた。馴染めなかったクラスにもだんだん馴染めるようになり、同い年の友達も出来た。小学五年生の夏の終わりにローレンは入院して、しばらくたった後に病院から姿を消した。残された伝言は「絵はまかせたで」とアトリエの鍵。それ以来、約十年が経過したがローレンの姿を見かけることはなかった。

大学生になった彼の元にローレンから「自分の絵を売って欲しい」と手紙が届けられた。絵を売るために指示通りに知り合いを頼って個展を開催した。そこで、ある絵を一枚の絵を見て涙を流す女性を目撃する。よく見るとその絵のモデルと似ている。彼女ならローレンについて何か知っているのではと思い、声をかけてみることにした。

 

絵のタイトル『杏奈と雪子』

小松原雪子という女性の方だった。彼女の話では、もう一人の杏奈の方がローレンと仲が良かったと教えられた。その彼女も音信不通で今どこにいるのか分からない状態だという。あの時の涙は懐かしさから溢れ出ていたと表情に寂しさが浮かび上がっていた。そして彼女の口から語られる杏奈と雪子の物語。杏奈の行方を探したい雪子とローレンが人殺しの噂の真偽を確かめたい宏助。二人は、数少ない手がかりから二人の行方を探し始めることにした。

 

感想/まとめ

面白かった。ローレンって外国人かと思っていが、おっさんだった。彼にも壮絶な過去があったんですね。助太刀といって助けたことで彼自身も救われていたのかな。あと関西弁に少し抵抗あった。

その彼を慕う宏助くんがある意味怖かった。ローレンのことになると制御不能になり、ハラハラ読んでいた。ローレンが危惧していた大人にとって都合のいい子になりそうだったが、優しいご理解のあるご両親に引き取られて良い子を卒業できたことが何より心に染みた。

雪子さんと杏奈さん。高校時代の二人が別々の章で描かれており、その時の二人の心境が読みとれる。大学時代に会おうと思えば会えたのではとお節介を残し、何はともあれここからまた離れていた間の友情を補充する思い出を作っていってほしいですね。

 

ローレンが繋げた物語これにて完結ですね!