麻見和史さんの「ヴェサリウスの柩」を読んでみた 感想

今回紹介するのは麻見和史さんの「ヴェサリウスの柩」です。

ヴェサリウスの柩

主人公は、国立大学で解剖学助手として勤務している深澤千紗都（ふかざわちさと）

ある日の解剖実習中に、遺体の腹部から一本のチューブが埋め込まれているのが発見された。その中には、研究室の園部教授を脅迫するような不気味な詩が書かれていた。いたずらや嫌がらせにしては手が込みすぎているし、仕込み方が分からない。また園部本人が事を荒立てて妙な噂が立ったりするのを恐れたため、警察に届けることはなかった。

しかし今度は千紗都自身が、標本室で第二の詩を発見してしまう。この脅迫文が発見されてから園部の様子が明らかにおかしい。彼を父親の様に慕う千紗都は、ルールを破り、遺体の身元を調べ始めるが、チューブを埋め込んだ医師は１９年前に自殺していたことが判明する。

予想外の事実に困惑する千紗都だったが、園部の過去に何か秘密が隠されているのは間違いない。園部を助けたい一心で調査を進めていく中、意表を突く結末が待ち受けていた。

感想／まとめ

面白かった。

死後の復讐のためにさまざまな準備を用意するあたり、狂気をはらんだ、すさまじい執念が読みとれますね。