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赤月カケヤさんの「キミとは致命的なズレがある」を読んでみた 感想

今回紹介するのは赤月カケヤさんの「キミとは致命的なズレがある」です。十歳のときの大きな事故で記憶がない男子高校生。少女を殺す悪夢が彼を悩ます。この感触は夢?それとも現実!

 キミとは致命的なズレがある

海里克也は、十歳のときに大きな事故に遭って家族と記憶を失ってしまった。その事故の影響で学校に通うことができなかった克也は、高校受験ながら一浪して一から勉強し直し無事県内屈指の進学校へ入学することができた。遠縁の親戚で義父が長い人生の一年だからとアドバイスをしてくれたおかげでもある。一学年年上ということで、クラスで若干浮いている感はあるが、同級生の山美鳥や雨笠良平と仲良くなり、それなりの学校生活を送っていた。

 

ある日、保健室で目を覚ました克也。なぜここにいるのか憶えていない。保健医の鏡司先生によると階段から落ちて気を失っていたらしい。特に外傷は見られないが「見えないモノが見えていないか?」司先生の意味深な言葉に何かが引っかかった。

その後、差出人不明の不幸の手紙を受け取ったり、首のない少女の幻覚を見たり、醜悪な白昼夢を見たり、克也の身に何かが起き始めていた。

 

不安定な心理状況のなか、克也のことを殺人鬼と叫びながら襲いかかってくる男に遭遇する。数々の不可解な現象と記憶を失っていることで二重人格説を疑うようになります。克也はもう何を信じていいのか疑心暗鬼に陥ってしまうほど余裕がなくなりつつあった。

 

克也のすべてを知っていて引き取ってくれた義父から語られる衝撃の真相。昔の名前と家族構成。十歳のときに起きた一人の少女が惨殺され、一人の少女が行方不明となった事件、克也はその事件の重要参考人でもあった。無実である可能性を信じて記憶と向き合い、取り戻す決意を固めた克也は、事件が起こった場所へ自らの意思で飛び込んでいく。

 

感想/まとめ

面白かった。表紙とタイトルに釣られて読み始めましたが、大正解でした。これがデビュー作なんて驚きました。記憶喪失と幻覚がマッチしており、仕掛けも気持ち良く騙されてお見事でした。

後半に一気に真相が明らかになるため、駆け足感はありましたがあの娘のぶっ飛び具合ですべて持っていかれましたね。こういう締め方も好きなので大満足。

記憶が失われるって考えてみると怖いですよね。自分自身を否定されているみたいで、過去があって、現在があり、未来がある。不謹慎だけど、ミステリー小説などで登場すると先が見えないワクワク感があってそそられますよね。

 

アインズヴァッハの門、、、一応忘れないようにとブログに載せておこう。