太田忠司さんの「セクメトⅡ クマリの祝福」を読んでみた 感想
今回紹介するのは太田忠司さんの「セクメトⅡ クマリの祝福」です。左遷された和賀刑事とセクメト女子高生・夏月コンビがふたたび登場。彼女が通う学校で起きた残虐な殺人事件に挑む!
セクメトⅡ クマリの祝福
▼おさらい
前作の事件で警視庁の根幹を揺るがすスキャンダルを証言した和賀刑事は葛飾署に左遷されていた。圧力や批判に負けずにスキャンダルが積極的に公になるように働きかけたことで事件の関係者を守ることができた。
常識外の領域に踏み込んで和賀刑事も知った謎の一つ、セクメトの正体。遺伝子配列にセクメト・シークエンスと名付けられた特殊なものを組み込まれている者が特別な能力が発現する。男はシリアルキラーとなり、女は身体機能が異常に向上する。夏月が体格で劣る大人を投げ飛ばすことができたのはこの能力のおかげでもあったのだ。
そして、事件の背後に存在していた「闇」世界規模で研究をしている組織も今作も関わってきそうな勢いだ。
夏月が通う私立篤風高校の茶道部・部室で顧問の辻田先生が殺された。去年の夏月のクラス担任で前作でもちらっと登場していた人です。放課後、部室へと向かって第一発見者となった明石千佳は、その残虐な現場を見て意識を失ってしまった。
千佳は、どういうわけか夏月のことが気になっていた。辻田先生が以前彼女には近づかない方がいいと言った言葉がふと蘇ってきた。そして、『学校にはクマリがいる』その言葉が意味するものとは。
和賀刑事もクマリという手がかりを手に入れて捜査を始める。所轄への左遷と周囲の評判の悪さが引っ張り捜査会議での発言力は弱くなっていた。そこで、処分覚悟の独自捜査へと切り替えるが、捜査中に路上で襲撃されてしまう。それを寸前で助けたのが夏月だった。ダメージを負った体に鞭を打って事件の奥底へ自ら踏み込んでいく。
基本的には、夏月、和賀、千佳視点で物語は進んでいきます。私立篤風高校では生徒の知らない秘密が隠されており、学校の謎と事件の犯人はもちろんのこと前作の研究者たちとも関わりがあります。
そして、クマリと言う言葉。ネパールに古くから伝わる生き神と呼ばれる少女たちのことを指していますが、どのようなつながりがあるのか。
感想/まとめ
面白かった。壮大さは前回の方が上だったが、よくまとまっており、すんなりと内容が入ってきた。
次回で完結なのでここまできたら読み終えたい。ラストのクマリさんからの言葉が不穏な感じがして夏月ちゃんの身に何かあるのかな~次回ではちょっとはデレる姿も期待したい。