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長沢樹さんの「リップステイン」を読んでみた 感想

今回紹介するのは長沢樹さんの「リップステイン」です。あの「消失グラデーション」と同様に映画や映像を学ぶ学生を軸とした青春ミステリー。今度はどんな驚きが登場するのか楽しみである。

 リップステイン

夜勤のバイトを終えて渋谷を撮影していた僕のフレームの中に制服を着た女の子が映り込んだ。この街ではさほど珍しくない姿だが、彼女が着ている制服が母校のだったために声をかけてしまった。彼女は、城丸香砂(ジョウマルカズナ)と名乗り、正義の味方になるための武者修行中だという。同郷のよしみで一応の事情を聞いた僕こと夏目行人(ナツメユキト)は逃げるように別れを告げ、学校へと向かった。

 

映像の専門的な学校に通う夏目は課題に追われていた。共同制作ではなく単独製作で挑むことを選び、各班の製作状況を追うドキュメントを製作する予定だった。友人?の如月由宇が企画した性の過激な企画とそれを撮影する会田春馬を中心に映像パートは進んでいく。会田はプロの誘いを蹴ってまで一から学びたいと入学した実績十分の男だ。彼の周りには不自然なほど人が集まってくる。後に女性がらみの問題が勃発しても動揺しない不気味さもある。夏目も彼に認められたいと視界に入ろうとするがダメ出しを食らってしまう。コンプレックスの波が今後どう影響してくるのかも注目したい。そして、夏目が出会ったカズナという女の子とのつながりも気になるところだ。

 

夏目は携帯を紛失してしまったことに気付き、再び香砂と会うことになった。そこで城丸家で生き残っているの私しかいないから修業に励むんだよと決心が固い言葉と今夜これから強敵と戦うと聞いたので何かあったらと連絡先を渡した。その後、痛いよと香砂から電話があり急いで向かった先で、夥しい出血とボロボロになった状態の彼女の姿があった。

 

警察は、連続強盗の容疑で元プロボクサーの宇津井が逮捕された。その男を追っていた水瀬という刑事は、逮捕される数時間前にある少女と接触していたことを知った。この情報を胸の中にしまい、単独で追うことになるが。

 

家に連れ帰り、シャワーを浴びさせて身だしなみを整えていた矢先、宇津井が逮捕されたという一報を知った香砂はこいつに負け続けていたと悔しそうに漏らした。渋谷で目に見えない悪意と戦っている。人から人へと憑依して移ることができて、逮捕しても本当の解決にはならないと知った。新たなに美晴という仲間も加わり、目に見えない敵との戦いに挑むことになる。

そして、夏目も全身全霊で取り組んでいる二人(如月由宇と城丸香砂)を追うことで製作の方でも何かをつかみつつあった。

 

映像に込める想いを感じ取り、学生たちが完成させた答えをご覧あれ!

 

感想/まとめ

面白かったけど、思っていたのとは違ったので何とも言えない感じですね。バランスがいいのか悪いのか判別しにくい。まさか、リアルを飛び越えてファンタジーやオカルト的要素が出てくるとは思っていなかったので。映像分野にはそれは憑きものか。ハハハ。

ただ結構、性で攻めてきますね。ヤバイ描写もちらほらあり、ドキドキしました。

今作の驚きポイントでもある犯人の〇〇にまたやられてしまった。固定観念にとらわれ過ぎているのか、人の思い込みはというのは怖いものですね。

 

 

まずは同著者さんの「消失グラデーション」をおススメしますね。